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【年末特集】正月にまとめて観直そう!「イチオシアニメ特集」

2010年12月28日

【年末特集】正月にまとめて観直そう!「イチオシアニメ特集」

2010年を振り返れば人気アニメ作品が目白押し!
少し余裕のある年末年始は、DVDやBD、HDDに録り貯めたアニメを一気に観直す絶好の機会!!
ZAKZAKアニメ・ゲームでは「イチオシアニメ特集」で今年のアニメを振り返ろう!


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101228-tokani-hagane.jpg鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST
鋼鉄の義手と義足を持つ、若き錬金術師の物語

2010年アニメ界最大の話題作、通称"ハガレン"こと『鋼の錬金術師』は、『月刊少年ガンガン』で連載されていた同名漫画のアニメ化作品。さまざまな物体を生み出したり変形させる"錬金術"が実在する世界を舞台にしたファンタジーで、その錬金術を操るエドワード・エルリック、アルフォンス・エルリックの兄弟が主人公。この世界の錬金術には"等価交換"という大原則があり、何かを生み出すには何かを引き換えにしなくてはならない。物語の冒頭、エルリック兄弟は亡くなった母親を練成(錬金術によって何かを生み出すこと)によって蘇らせようとするが、人間の命を練成するための代償は大きかった。母親の再生には失敗し、人間のような形をした"何か"を作り出しただけに終わり、さらに兄のエルリックは片腕と片足、弟のアルフォンスは体全部を失ってしまう。かろうじてアルフォンスの魂のみを取り返し、エルリックも重傷を負いつつも生き延びるが、アルフォンスは鎧に魂だけが定着した姿に、エルリックは鋼鉄製の義手と義足なしでは動けない身体となってしまった。ふたりの兄弟は失った身体を取り戻すため、そして失敗した人体練成に再び挑むため、国家錬金術師となって働きつつ錬金術の秘密に迫る──というのが本作の大まかなストーリー。独特の世界観や、本筋のシリアスさと合間に挟まれるコミカルな展開のギャップが、本作の人気の秘密といえよう。アニメは原作連載中の2009年4月に開始され、ほぼ原作準拠のストーリーで放映されたが、2010年7月の放映終了は原作漫画の最終回とほぼ同時。つまり終盤は漫画の掲載とアニメ製作がほぼ平行して進められ、完成前の原稿をもとにアニメのコンテが作られていたという。老若男女に受け入れられるエンターテイメント作品であり、2011年夏には劇場版も公開予定。とくにアニメ好きという方でなくとも、原作漫画ともどもぜひチェックしていただきたい作品である。




Angel Beats!
理不尽でも尊い、それが人生

2010年4月から6月までの期間テレビ放映されたアニメ作品。平成22年度の文化庁メディア芸術祭では、アニメーション長編部門の審査委員会推薦作品にも選ばれた話題作である。一見、本作は学園が舞台の青春ストーリーの体裁を取っているが、登場人物たちが通う天上学園は死後の世界にある学校。この学園の生徒たちは、生前に理不尽な人生を送り無念の死を遂げた者たちで、ここで充実した学園生活を送るうちに成仏し転生するようになっている。だが一部の者たちはおとなしく成仏することを拒み、むしろ理不尽だった人生を強いた神に復讐することを考え"死んだ世界戦線"という反抗組織を結成。学園を守るヒロイン"天使"と戦いを繰り広げる。物語の序盤、主人公の少年である音無は、死んだ世界戦線たちと行動をともにするのだが、敵であるはずの天使にも心引かれ、やがてこの世界に隠された真実に気づき始めるのだ。本作は平和な日常シーン、天使とのバトルシーン、そして主人公たちの悲しい生前の回想シーンというメリハリの効いた3要素が中心となっており、登場人物たちは最終的に理不尽だった過去と決着をつけて成仏する。いわば癒しの物語であり、それが人気の秘密といえるだろう。また作品中では死んだ世界戦線の敵として認識される天使が、学園シーンではかなりきつい苛めのような扱いを受けることがあり、それでも黙々と生徒たちのために頑張る彼女の姿がファンの心をがっしり掴んだという面もあったようだ。なお製作の中心となったKeyは本来ゲームメーカーで、過去に『Kanon』、『Air』といった泣けるシナリオのゲームを生み出したことで有名。興味がある方は、そちらの作品も要チェックである。




刀語
毎月1話、12ヶ月をかけて描かれた"大河アニメ"

ミステリ界の鬼才、西尾維新の小説を原作としたアニメ作品。尾張時代という架空の日本中世を舞台にした時代物で、12本の"完成形変体刀"と呼ばれる強力な武器と、その収集を命じられた主人公、刀を使わない剣術"虚刀流"の使い手である鑢七花を巡る物語である。本作は2010年1月からテレビ放映されたが、通常のテレビアニメとは違い毎月1話で毎回1時間スペシャルという珍しい形での放映となっていた。このような放映形態になった経緯だが、原作小説も1ヵ月に1冊ずつの刊行であったため、そのイベント感をアニメ放映でも出したかったとプロデューサーの鳥羽洋典氏が語っている。この作品の魅力は、何といっても原作者の西尾維新氏独特の世界観と、心躍らせるギミック満載の12本の完成形変体刀の設定。対象の物体の分子結合を破壊することで、あらゆる物を一刀両断する斬刀「鈍」(ザントウ・ナマクラ)。一見、西洋甲冑でありながら部品の継ぎ目すべてが刃となり、さらにあらゆる衝撃を逃がす機構を備えた賊刀「鎧」(ゾクトウ・ヨロイ)。"刀"といいつつ、その実は回転式と自動式の連発拳銃一対からなる炎刀「銃」(エントウ・ジュウ)などなど、「こんなのアリ?」と叫びたくなるほどの意表を突いた刀が登場する。これらの完成形変体刀の所有者たちと、主人公の七花との対決が毎回クライマックスとなり、多くのファンを魅了した作品である。ちなみに原作小説の各巻末には、あたかも格闘ゲームのようにその巻の対戦相手となるキャラクターの技入力コマンドが掲載されていた。




101228-tokani-siki.jpg屍鬼
死に包囲された村を襲う、恐怖と悲哀の物語

大元の原作となるのは、『十二国記』で有名な小野不由美が執筆した同名のホラー小説『屍鬼』。こちらの刊行は1998年だが、2008年には藤崎竜によるコミック版が『月刊ジャンプスクエア』で連載開始。アニメ作品となる本作は、このコミック版のキャラクターデザインやストーリー展開に準拠したもので、2010年7月から12月までフジテレビの"ノイタミナ"枠でテレビ放映された。作品の舞台となるのは周囲から隔絶された外場村。ある夏の日、この村に都会から引っ越してきた兼正家の洋館を見つめる少女の姿があった。都会に憧れるその少女、清水恵は住人に近づきたい一心で館への坂を上った。だがその後、少女は突然の死を遂げる。そしてそれは、村に押し寄せる死の先触れでしかなかった......。ややネタバレを承知で説明するが、本作はいわゆる"吸血鬼"をモチーフとしたホラー作品である。いまだ土葬の習慣が残る外場村では、死後に蘇生する"起き上がり"と呼ばれるおぞましい言い伝えがあり、それが現実になるのである。物語はごくゆっくりと進行し、序盤には目立った死者は出ず、もちろん"起き上がり"などという超自然的存在に登場人物たちが気づくこともない。だが、徐々に不審な死者は増え始め、やがて人々は恐怖と狂気にとらわれていく。また加害者となる吸血鬼側のキャラクターの人物描写がていねいな点もこの作品の特色であり、人間ではなくなった者たちの悲哀や恐怖がじっくり描かれている。アニメは原作小説とは違うオリジナルのストーリー展開になっており、原作読者であっても十分に楽しめる快作である。




101228-tokani-oreimo.jpg俺の妹がこんなに可愛いわけがない
超生意気な妹が、だんだん可愛く見えてくる......?

伏見つかさ著の同名ライトノベルが原作のアニメ作品。主人公の高坂京介は平凡な高校生。彼には桐乃という中学生の妹がいたが、雑誌モデルまでこなすスーパー中学生桐乃は兄の京介を兄とも思わず、まるで汚物を見るような目でみるばかり。京介もそんな生意気な妹とは犬猿の仲で、その関係は変わらないと思っていた。だがある日、そんな桐乃がとんでもないオタク趣味の持ち主であったことを京介に知られ、それに関する人生相談がきっかけで、ふたりの関係が変化していくというストーリー。それまでツンケンしていた妹が徐々に兄にデレていくという、いわゆる最近流行の"ツンデレ"ものであり、その部分がピックアップされることも多いが、圧巻なのは桐乃のオタク描写の濃厚さである。桐乃は中学生でありながら、アダルトゲームにまで手を出すという業の深い真性オタク。さらに京介の協力のもとにオタクの仲間を作るのだが、その仲間というのもまた別の方向に濃いオタクたち。ただしその描写は否定的なものばかりではなく、どうして彼らがアニメやゲーム作品を愛するのか、どうしてそこまで夢中になるのかといった点も描かれ、そういった部分が同じオタク趣味を愛する人々の支持を得たのだろう。近年、オタク趣味があることをカミングアウトしたり、その趣味を隠さず堂々としている女性も増えているようなので、もし身近にそういう女性がいる方は、彼女たちとお近づきになるために一度は見ておくといい作品かもしれない。




101228-tokani-baka.jpgバカとテストと召喚獣
学園コメディ? いいえ、バカコメディです

試験で得た点数をもとに、その点数に見合った戦闘力を持つ召喚獣を呼び出せるという"試験召喚システム"。そんな科学ともオカルトともいえないようなシステムがある、文月学園を舞台とした学園コメディが本作である。原作は井上堅二氏の同名ライトノベルで、『このライトノベルがすごい!』においてベスト3内に3回も入った人気作だ。主人公の吉井明久は学力レベルが学年で最底辺な高校生。彼が所属する学園最低ランクのFクラスでは、机が卓袱台であることをはじめとして、上位クラスと比べるとはるかに差別的待遇を受けていた。だがこの学園には、試験召喚システムを使った"試験召喚戦争"という特殊ルールがあった。それは他のクラスに召喚獣によるバトルを挑み、バトルに勝てば相手の設備を奪えるというもの。試験の点数が低くても、召喚獣によるバトルなら作戦によってはAクラスに勝つことも不可能ではない、かも。というわけで、明久は友人の坂本雄二と協力し、試召戦争に立ち上がるのだが......というストーリー。とにかくこのアニメ作品の魅力は、テンポのよさと馬鹿馬鹿しいギャグやネタの数々。原作とはストーリー展開が若干異なるのだが、この馬鹿馬鹿しさは健在で、多くの初見視聴者に"予想以上に面白い"との感想を抱かせた。とにかく笑ってスッキリしたいという方におススメの作品である。テレビ放映自体は2010年3月で終了しているが、ネット配信も行なわれていたため有料になるが現在も視聴可能。またOVAの発売や2期の放映も予定されており、そちらも楽しみである。




けいおん!!けいおん!!
社会現象にもなった、日常系アニメの最高峰

2009年に放送された『けいおん!』の第2期となる作品で、かきふらい氏が描く同名漫画『けいおん!』が原作となる。桜が丘高校の軽音楽部に所属する主人公、平沢唯を中心として、部活メンバーの田井中律、秋山澪、琴吹紬、中野梓たちの部活を中心とした生活を、まったりゆったり描いたアニメである。この第2期では原作にはないオリジナルの話もあり、原作の最終回とほぼ同じくしてアニメも最終回を迎えた。本作は第1期の頃からアニメファンに大ブレイクし、軽音楽部ということで主人公たち自身が歌う楽曲がオリコンランキングの上位にランクインするなど、一種の社会現象を巻き起こしたことでも有名。また熱狂的なファンのなかには、登場人物たちが使用したとされる楽器を実際に購入する人々も現れた。これだけの人気を博した背景には、アニメーション制作を京都アニメーションが手がけたことに加え、のんびりした日常風景を描くアニメというジャンルが放映開始当時に流行していたという点があるだろう。原作漫画もアニメ人気に後押しされる形で放映開始直後から品薄となり、とくに1、2巻の初版本はネットオークションで高値で売買されていた。のんびりとした女子高生たちの日常で癒されたい方は必見のアニメである。




侵略!イカ娘侵略!イカ娘
イカちゃんが可愛い! それだけでいいじゃなイカ

安部真弘氏が描く同名コミックが原作となるテレビアニメで、2010年10月から12月まで放映された作品。主人公のイカ娘は、海を汚す人類の暴挙を止めるため地上侵略のために上陸してきた......はずが、最初の拠点として訪れた海の家れもんで、その目論見はあっさり失敗。さして計画性もなく上陸してきた彼女は、れもんで店員として働きながら、のんびり地上での生活を楽しみつつ、ときどき侵略のことを思い出して騒ぎを引き起こす、というストーリーである。やや物騒な導入でありながら、本編はまったりのんびりした地上侵略コメディ。海の家が舞台ということで、ストーリーは常に夏の海を中心に展開されるということもそののんびり感に拍車をかけている。この作品で印象に残るのは、「○○でゲソ」、「△△じゃなイカ?」といったイカ娘が使用する特殊な語尾。原作者自身も単なるダジャレだと認める語尾だが、これが一種の社会現象的にネットを中心に広がりを見せ、2010年度のネット流行語大賞で銅賞を獲得するという快挙を達成した。本作が人気となったいちばんの理由は、やはりヒロインのイカ娘のかわいらしさであろう。近年いわれる"萌え"とは違い、イカ娘の天真爛漫さや侵略したくてもできないダメっぷりに、多くのファンたちが父性愛や母性愛に近い形での愛情を注いだのだ。放映終了後の現在も、iPhone/iPad touch用アプリやアバター配信が続けられており、作品内とは違って現実世界の侵略は着々と進行中である。




101228-tokani-rail.jpgとある科学の超電磁砲
とある街の、とある少女たちの、非日常的な日常アニメ

2009年10月から2010年3月まで放映されたアニメ作品。総人口230万という巨大な都市でありながら、その住人の約8割が学生という奇妙な「学園都市」。そこでは学生たちを対象とした超能力の研究・開発が行なわれ、本作の主人公である御坂美琴もそんな能力者のひとり。能力者の頂点に立つ"レベル5"である彼女は電撃使い(エレクトロマスター)で、電磁力によって金属製の弾を高速で撃ち出すという能力から超電磁砲(レールガン)の異名をとっていた。そんな美琴と彼女の後輩や友人たちとが繰り広げる活躍を描いたのが本作品である。じつはこのアニメ、原作者を同じくする『とある魔術の禁書目録(インデックス)』のスピンオフ作品。『禁書目録』はライトノベルが原作となるが、そのスピンオフである『超電磁砲』のほうは鎌池和馬原作、冬川基作画の漫画が原作となる。本編となるライトノベルでも同様だが、本作の魅力はキャラクターの多彩さと、彼らが持つ特殊能力の数々。またそれ以上に目立つのが、「超電磁砲」を「レールガン」と読んだり「風紀委員」に「ジャッジメント」と読み仮名をふったりするネーミングセンスの妙である。そのネーミングの魅力もあいまって痛快に展開される超能力バトルと、それと対比的にコミカルな日常シーンが多くのファンを魅了した。アニメはすでに終了しているが、原作コミックは『月刊コミック電撃大王』で連載中で、単行本も5巻まで刊行されている。興味がある方は原作からチェックしてみるといいだろう。


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