2010年12月28日 (火)

御用納め

 石破 茂 です。
 
 いよいよ御用納めの日となりました。
 と言っても今日も読売テレビの生番組出演のため大阪往復。浅薄な、と言って悪ければまだまだ生煮えの議論がいまだに幅を利かせているな、というのが実感です。
 「金融政策を動員すれば景気は三か月で回復する」などとどうして言えるのか、私には全く理解ができません。本来なら景気回復の後に財政再建、というのが順序ですが、あまりに財政状況が悪いために財政再建と景気回復を同時になさねばならないところに今の日本の難しさがあります。
 
 明日、明後日と、山と積まれた資料の整理をしなければ、年明けからの仕事になりません。
 一度読んだだけで、まだ内容がきちんと理解できていない論文も多くあり、いくつか集中的に年末年始に読んでみたいと思っています。…などと決意だけは立派なのですが、さてどこまで出来ますやら。
 しかし、来年は大動乱の年になることは確実で、今しかきちんと物事を理解する時間は無いのですから、何としてもやり遂げなくてはなりません。

 小沢元代表が政倫審に応じる由。それはそれで結構なことですが、「国会が正常に動くなら」などという条件など付けるべきではありません。
 一切無実だ、というのであればいかなる場も利用するのが当然で、あれこれと余計なことは言わないほうがよろしい。
 故・江藤淳氏の「帰りなん、いざ。小沢一郎君に与う」という1997年の文章を今一度読んでみたのですが、この当時の小沢氏はまだ光り輝く一面を持っていたように思います。
 今、小沢氏の理想の是非を巡って、政界は混乱しているのではありません。小沢氏のグループの誰からも、小沢氏の理想の具体的な内容を聞いたことがありません。
 何度も申しあげるように、私は小沢氏の世界観や国連観、さらには皇室観には絶対に賛同できないのであり、その一事をもって認めることはできないのです。
 国連は世界政府ではない。この認識を持たずしてどうして安全保障が語れるのでしょうか。これについては新年にまた論じたく思っています。

 元旦は恒例の「新年初売り」。午前零時とともに事務所の前に立って新年のご挨拶を二時間ほどして、朝七時の便で上京、皇居の新年祝賀の儀に出席の予定です。
 大みそかから元旦にかけて鳥取は暴風雪とか。それもまたいいのかもしれません。気を引き締めて、すがすがしい気持ちで新年を迎えたいと願っています。

 一年、本当にお世話になりました。皆様、よい年をお迎えくださいませ。

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2010年12月24日 (金)

クリスマス・イブ

 石破 茂 です。

 今日はクリスマスイブ、楽しいご予定のある方はいいのですが、仕事のある方、何の予定もない方、子供たちは勝手にいろんな予定を立てて家におらず、お家に帰っても何もない方などは(むしろそんな方々のほうが多いような気がするのですが)、このクリスマスの季節が早く過ぎ去って欲しいと思っておられるのかも知れません。
 与党時代、この時期はまさしく予算編成に当たっていて、例年24日は予算の打ち上げの儀式を役所でやっていたように思います。昨年に引き続き野党として迎える12月24日、閑散とした議員会館で、統一地方選挙の公約の最終打ち合わせなどに忙殺されております。

 多くのお心のこもったクリスマスカードをいただき、本当にありがとうございます。とても楽しく拝見させていただいております。一つ一つお返事を書きたいのですが、なかなかその暇がありません。どうかお許しください。

 クリスマスを題材にした小説は数多くありますが、その中でもO・ヘンリの短編「賢者の贈り物」はとても印象深く、いつもこの時期になると読み返してみたくなる作品です。まだお読みでない方があれば、ぜひご一読をお勧めします。

 映像流出事案についての海上保安庁の処分は全く釈然としません。そもそも政権が対応を誤ったからこそ生じた事態なのに、政治の任にある者が何の責任も取らないというのは一体どういうことなのか。こんな均衡を失する処分では現場の士気の低下は避けられず、やはり民主党政権の人たちは何もわかっていないのだな、と嘆息せざるを得ません。
 一事が万事そういうことで、菅総理の沖縄訪問も誠意の欠片も感じられませんでした。このような事態はすべて鳩山総理の不勉強な一言に端を発しているのであり、せめて手をついて詫びることから何故始められないのか、理解に苦しみます。

 小沢問題は本当にいい加減にしてもらいたい。小沢氏は「裁判になるのだから、国会に出て説明する必要はない」「自分が政倫審に出ても、年明けの国会で野党が審議に応じることは考えられないので、出ても意味がない」という二つの理由を述べて政倫審出席を拒否しているそうですが、どちらも全く理由になっていません。
小沢氏自身が当時、議院運営委員長として昭和60年に定めた政治倫理綱領には、
「われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合には自ら真摯な態度を持って疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない」
とあります。裁判で問われるのは法に反したか否かであって、倫理が問われるのではなく、裁判と政倫審は相互に排他性の関係に立つものではありません。ましてや野党が審議に応じるか否かなど、何の関係もありません。どうして小沢氏ならびにその一派はこのような自分中心の思考法しかできないのでしょうか。

 週末は土曜日がテレビ東京の正月番組「爆笑スクール 子供にだって言わせろ」の収録。
 日曜日は地元で農業関係者との恒例の忘年会、市議会議員との意見交換会。
 火曜日は読売テレビ年末特番の生放送(ミヤネ屋・正午)という日程です。

 いよいよ来週は今年最終週、もう一度更新できるようにしたいと思っております。
 寒波襲来の由、体調に気を付けてお過ごしください。

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2010年12月17日 (金)

仮免許?

 石破 茂 です。
 民主党政府の税制改正案が閣議決定され、予算案の概要もほぼ明らかになりました。今朝のNHKニュースで「予算案はほぼ出来上がったが残る焦点は財源確保」との報道を見て、思わず笑ってしまいました。財源の当てのない予算案なら誰にでも作れます。税制の抜本改正には全く手を付けず、乗数効果のないバラマキ・人気取りマニフェストは撤回せず、国債新規発行は44兆円、などと言っているからこんな漫画的光景が展開されるのです。

 菅総理の「仮免許」発言はこれだけで十分に不信任に値します。若葉マークの初心者以前の仮免許。一人で路上に出てはならないドライバーがこの国を担っているという恐ろしさ。そのような発言が出ること自体、責任感の欠片もないと断ぜざるを得ません。最近つくづく思うのですが、民主党政権に共通しているのは、どうしようもない甘えと責任転嫁の体質です。悪いのはすべて他人の所為、自分たちは悪くない、政権を担ったばかりなのだから許して貰える・・・・。
 加えて、小沢元幹事長のあの態度がなぜ民主党内で許されるのか。小沢氏の周りでひたすら阿諛追従し、お囃子に興じている議員たちに、諸君が崇めてやまない小沢氏の世界観や国家像とは何かと問いたい。United Nationsは世界政府であり、そこに自衛隊を差し出すことは日本国憲法第九条の「国権の発動」に抵触しない、などという世にも珍なる説を本当に信じているのか。小沢氏は説明しないのではなく、説明する何物をも持たないから、説明出来ないだけのことなのではないか。仮に百歩を譲って、小沢氏が何かを持っていたとしても、彼の存在によってどれほど国政が混乱し、国益を損ねたか、少しは考えてみるがいい。何年か前、江藤淳氏が「小沢君、水沢に帰りなさい」という論文を書かれていましたが、まさしくその通りなのではないでしょうか。

 連立話はまだ消えていないようで、このブログにもご意見が寄せられています。もう一度言っておきます。「何のための連立なのか。税制改革・財政再建か、普天間か、TPPか。これをはっきり与党側から示すこと」「民主党マニフェストの誤りを認めること」「このような課題を解決するためにこのような連立を組みたいので解散・総選挙により国民の審判を仰ぐことを明言すること」、これらが示されなければ、そもそもお話になりません。特に大事なのは、早急に解散・総選挙を断行し、新しい連立に国民の審判を受けることです。国民の審判を経ない連立の組み替えなど、前回も申しあげたように野合以外の何物でもなく、そのような正統性を持たない政権は何の政策実行力も持たないでしょう。
 自民党内にもいろいろ画策する人が居るようですが、一体何を考えているのやら。そんな人に限って、政策の会議には顔を出さず、文句や他人の批判ばかり言っているのではないでしょうか。次の政権は、自民党中心の政権であらねばなりません。そのためには、総選挙の自民党の公約を明年一月二十三日の党大会までに少なくとも概成させなくてはなりません。ここが正念場と心得、努力する他はありません。

 昨日のニコニコ動画生放送はとても面白かったです。インターネット放送は双方向の手応えが感じられて、何だか昔の深夜放送のような楽しさがあります。また機会があれば出てみたいな・・・。

 週末は土曜日が地元で叙勲祝賀会が三会場と以前からどうしても出て欲しいと言われている忘年会。日曜日は自民党久喜支部大会での講演、(午後二時・三高サロン・埼玉県久喜市中央4丁目)という比較的緩やかな日程です。今年もあとわずか、頑張りましょう。

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