昭和４７年１０月。茂（向井理）は毎朝食事が終わるといったん食卓から戸外まで出て、また玄関から入り直して仕事部屋に向かうという奇妙な出勤スタイルをとっていた。茂に漫画を注文したある出版社が倒産し、茂は未回収の原稿料の穴を埋めるために仕事をふやし、多忙を極めることに。夫婦の間で会話が少ないことを気にした布美枝（松下奈緒）は茂に手紙を書くが、仕事部屋のゴミ箱にその手紙が捨てられているのを見つけ、動揺する。夕食の席で茂と仲たがいした布美枝は思わず家を飛び出してしまう。思い直して家へ戻るが、布美枝は何も言ってくれない茂にたいして寂しい思いを抑えることができない。過労でついに倒れてしまった茂を布美枝は看病し、茂の真意を知って、ようやくふたりのあいだのわだかまりはなくなる。体調が回復した茂が仕事に復帰した夜、安来の実家から布美枝に電話がかかってくる。弟の貴司（星野源）が海に落ちて亡くなったという、それは思いもかけない知らせだった。安来での葬儀を終え、貴司のことを思う布美枝（松下奈緒）のもとに、かつてすずらん商店街で貸本屋を営んでいた美智子（松坂慶子）から久々に調布を訪ねるという手紙が届いて･･･。