茂（向井理）は富田（うじきつよし）の依頼で「墓場鬼太郎」の執筆に全力を注いでいた。布美枝（松下奈緒）はできあがったその本を宣伝するうち、自分が水木しげるの妻であることを美智子（松坂慶子）に知られることに。「少年戦記の会」の失敗以来姿をくらましていた浦木（杉浦太陽）がまたあらわれ、茂は激怒するが、旧友であるふたりの神戸時代の話を聞けるのが布美枝はうれしかった。茂の漫画は刊行されるが、富田は資金繰りが苦しく原稿料を払おうとしない。家計の苦労が続くある日、茂の神戸時代の紙芝居の師である杉浦音松（上條恒彦）がふいに訪ねてくる。茂がかつて神戸で紙芝居の絵を描いていたことや、「墓場鬼太郎」の原案が古い紙芝居にあったこと、水木しげるという名前をつけたのが音松だったことなど、布美枝には初めて聞くことばかりだった。浦木が「音松は借金まみれで知人から金を借りようとして東京に姿を現したのだ」との情報を持ってくる。富田の出版社も資金繰りが悪化し、茂には金が払われない結果に。音松に貸す金もない始末となったが、音松もある日、紙芝居の終えんへの思いを語ると、静かに旅立って行った。