(cache) 連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」

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第23週「妖怪はどこへ消えた?」

8月30日(月)〜9月4日(土)/第133回〜第138回

昭和56年4月。布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)の長女・藍子(青谷優衣)は大学に進学し、次女の喜子(荒井萌)は中学三年生になった。喜子は父親譲りのマイペースで、毎朝学校に遅刻続きだった。茂が漫画界の第一線に躍り出てからすでに十五年ほどが過ぎ、そのあいだ茂はずっと仕事漬けの日々を送っていたが、このところ漫画の注文が急に減り、光男(永岡佑)たちはプロダクションの先行きを心配していた。

水木プロダクションの仕事は激減していたが、茂はまだどこかでそれを一時的なものととらえようとしていた。ある日、テレビ局のクルーが仕事場にやってきて茂に取材のマイクを向けるがが、視聴者受けを第一に考えるインタビュアーの質問に茂は当惑。布美枝は久しぶりに戌井(梶原善)の妻・早苗(馬渕英俚可)と会い、戌井が文庫サイズの漫画の出版から手を引いて、いまは軽印刷の仕事に絞っていることを聞く。喜子は修学旅行のしおりづくりに張り切っていた。表紙の絵について茂に相談しようとするが、なんとなく茂の様子がおかしい。

布美枝は茂がこれまでになく気落ちしている様子なのが心配だった。あれほど夢中になっていた南方の仮面や装飾品に向ける目にも光がなく、それらを「ガラクタ」とまで呼ぶ始末。かつて茂を魅了していたものが、いまの茂にとっては価値のないものになってしまったのかのようだった。次女の喜子は修学旅行のしおりに妖怪の絵を描き入れようとして茂に質問をしようとするが、妖怪なんていうものはいないときっぱり言われてしまう。藍子は布美枝に、喜子がショックを受けていたと告げるが、布美枝は茂のたくましさを信じていると語り藍子もそれに納得する。

絹代(竹下景子)と修平(風間杜夫)は布美枝に対し、茂に漫画の注文が来なくなったことで、気をもみすぎることのないようにと気遣いをみせる。喜子は修学旅行のしおりに妖怪の絵を描いたことでクラスメートたちから白い目で見られるようになってしまい、妖怪ブームが過ぎ去って虚無感を抱えている茂と同じ気持ちをわかちあう。その夜、戌井が茂を尋ねてきて、また漫画文庫を出版するので、茂の貸本時代の漫画を全部復刻させたいと申し出る。そして、『ホンモノ』は消えないと茂を励ます。

漫画家になる夢をあきらめて郷里の山梨に帰っていった河合はるこ(南明奈)が久しぶりに村井家を訪ねてきた。はるこは小学校の教師を目指して努力を重ね、この春ようやく本採用が決まったのだという。はるこの学校では子供同士のもめごとがあったり、受験のプレッシャーに苦しむ児童がいたり、いくつもの問題が存在していた。はるこは茂に山梨に来てもらって、のびのびした子供時代の話を学校でしてもらえないかという。いつの間にか読者に受ける漫画を描くようになっていたと反省した茂は山梨行きを決意する。そして山梨の児童とともに遠足に行った河原で茂はとある妖怪に出会う。

茂が谷川沿いを歩き、上流にさしかかると、どこかから奇妙な歌声が聞こえてくる。声のする方向に茂は目を向け、そこに妖怪・小豆洗いの姿を発見。

小豆洗い:オレたちゃ、人を脅かすのが商売なのに、近ごろじゃ、
誰もオレたちに気づかねえんだ。このままじゃ、消えちまう運命だぜ

茂:そんな心細いこと言うなよ
小豆洗い:絵描きの先生、オレたちのこと描いてくれよな
茂:・・・
(小豆洗いの姿、薄くなっていく。)
小豆洗い:頼んだぜ
茂:ああ、わかった
(小豆洗いの姿が消え、歌声だけが聞こえる。)
小豆洗いの声:小豆とごうか、人とって食おうか。ショキショキ

茂は妖怪辞典の編纂に取りかかることを決意する。アシスタントたちも目を輝かせてやる気を見せるのだった。修学旅行から帰った喜子は同じ部屋の女子たちと妖怪「目々連」に遭遇した話を家族にする。布美枝は最近落ち込んでいた茂と喜子に、妖怪が力を貸してくれたのだと藍子とほほ笑みあう。そして茂は貧乏時代のことも赤裸々に描く自伝を書くことを布美枝に切り出す。布美枝もそれを快諾するのだった。