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【芸能・社会】

マッチ 22年ぶりのレコ大

2010年12月31日 紙面から

 30日に新国立劇場で開かれた「第52回輝く!レコード大賞」では、「心 ざんばら」で最優秀歌唱賞を受賞した歌手近藤真彦(46)が22年ぶりにレコ大のステージに立った。デビュー30周年に、史上5人目のレコ大3冠を達成したマッチ。感無量の面持ちで「またこのレコード大賞に挑戦してこい、というメッセージだと思う」と語り、「心 ざんばら」「愚か者」「ギンギラギンにさりげなく」の“3冠メドレー”を歌い上げた。

 「たいへんな賞をいただいてしまいました。この賞をいただくか、迷ったときもありました」

 最優秀歌唱賞を受賞したマッチは、スーツ姿で登場すると、あらたまった様子で話し始めた。

 「でも30年、一生懸命、歌が好きで歌い続けてきて、歌の持つ力、元気、勇気、ときには悲しさも伝わればいいと思って歌い続けてきた。うまく歌えればいいと思ったことはありません」。武骨でまっすぐな歌声が持ち味のマッチらしくストレートに語った。

 歌ったのは今年の同賞曲「心 ざんばら」、1987年の大賞曲「愚か者」、81年の最優秀新人賞曲「ギンギラギンにさりげなく」の“3冠メドレー”。史上5人目の快挙にふさわしい堂々としたステージングを、司会の堺正章(64)は「貫禄がありましたね」、藤原紀香(39)も「言霊を感じました」とたたえた。

 レコ大登場は「あぁ、グッと」で金賞に輝いた88年以来22年ぶり。ジャニーズ事務所の歌手としても、90年の最優秀ポップス新人賞・忍者以来20年ぶり。この間、事務所側は「同じ事務所のタレントを競わせるのは忍びない」との理由でレコ大から距離を置いていた。

 マッチの受賞について事務所側は「レコ大とともに育った歌手。今の若いタレントと違う」と特例であることを強調。マッチも「個人的には好き。勝ち負けがはっきりする残酷さがいい。普段からクルマのレースをやってるくらいだからね」と笑い、ステージでは「30周年のご褒美の歌唱賞。『マッチ、またいい歌と巡り合って、このレコード大賞に挑戦してこい』というメッセージだと思っています」と宣言。歌手として3冠のさらに先を目指すことを誓った。

 「心 ざんばら」は08年4月に亡くなった作詞家川内康範氏の作品。恋人の死に直面した男の張り裂ける心情をつづった内容で、川内氏が89年、「近藤にぜひ歌わせたい」と指名して贈った。

 しかし86年に母親を交通事故で亡くし、翌年に遺骨盗難事件があったマッチを思いやって、事務所側は「まだ歌わせられない」と判断した。デビュー30周年を迎え、マッチはこの曲の封印を解き、活動の軸にしようと決意し、歌い込んできた。

 「最後に古い話なんですけど…僕も悲しい思い出がありました。しかし何といっても僕を産んでくれたおふくろ、母に感謝しています」。言葉を詰まらせながら語り「感情が高ぶってヤベーと思った」が、歌い出してからは新人賞、大賞のときのような涙は見せなかったマッチ。46歳の男の渋味と芸能活動30年の重みを凝縮した歌唱で、メモリアルイヤーを力強くしめくくった。

 

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