口蹄疫の次は鳥インフルエンザ発生か

 忠清南道天安市と全羅北道益山市で29日、養鶏場の鶏やカモなどに鳥インフルエンザ(AI)感染の疑いがあるとの届けがあった。

 今回の鳥インフルエンザに関する届けは、今年に入って全国で初めてだが、当局は対策に非常に頭を痛めている。慶尚北道、京畿道、仁川広域市、江原道、忠清北道などで牛や豚などの伝染病、口蹄(こうてい)疫が広まっているのに加え、鳥の伝染病である鳥インフルエンザまで感染が広まれば、口蹄疫によって多くの被害が出ている農家にさらに追い打ちをかける結果となるからだ。

 農林水産食品部はこの日、「忠清南道天安市豊歳面の種カモ農場と、全羅北道益山市望城面にある養鶏場で鳥インフルエンザ発生の疑いがあるとの届けがあった。問題となった農場の関係者には移動を制限すると同時に、予防措置として、これらの農場の鶏とカモを殺処分することにした」と発表した。伝染性の強い高病原性鳥インフルエンザかどうかは、詳しい検査の結果が出る31日ごろ明らかになる見通しだ。

 今月7日には全羅北道益山市の万頃江周辺、10日には忠清南道瑞山市の浅水湾周辺、28日には全羅南道海南郡の農地などで、鳥インフルエンザに感染した野生のマガモやフクロウなどが発見されているが、農家で感染の疑いが報告されたのは、今年に入り今回が初めてだ。

 鳥インフルエンザのウイルスには144種類あり、それらは大きく高病原性と低病原性に分けられる。高病原性は感染力が強いが、低病原性はほとんど感染しない。また、ウイルスは主に排せつ物に接触することでほかの鳥に移動する。鶏は一度感染すると数日中に死ぬが、カモは感染しても死なない。しかしウイルスを周囲に媒介するため、対策が必要なのは変わらない。

 一部の高病原性のウイルスは、長時間にわたり接触した場合、人間にも感染することがある。しかし韓国ではまだ、人間に感染したケースは報告されていない。

 韓国は2008年4月と5月に鳥インフルエンザが広まったが、同年8月には清浄国として認められ、現在に至るまで、その地位を維持している。野生の鳥からウイルスが発見されても、清浄国であり続けることはできるが、鶏やカモなどの農場で感染が拡大すれば、清浄国としての地位は失われてしまう。

方顕哲(パン・ヒョンチョル)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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