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【激動2010 政界回顧録】(上)吹き荒れた鳩山前首相のルーピー旋風 振り回される普天間 (3/3ページ)
このニュースのトピックス:鳩山前首相
5月21日の参院本会議で鳩山氏が答弁に立つと、自民党の丸川珠代氏の声が朗々と議場に響いた。「愚かな」を意味する「ルーピー」は、米ワシントン・ポストが鳩山氏に命名した。わが国の宰相を他国に「ばか」呼ばわりされるのは悔しい限りだが、鳩山氏の言動を振り返ると言われても仕方がないように思える。
5月23日、鳩山氏は沖縄県の仲井真弘(ひろ)多(かず)知事に会い、移設先は辺野古であることを伝えた。
「誠心誠意」「命懸けで」「生きるか死ぬかの大きな激論の中で」「体当たりして」…。普天間問題で鳩山氏の言葉は踊り続けたが、結局は元の結論に戻っただけ。「腹案がある」と言い続けたのも嘘だった。
そんな鳩山氏は6月2日の民主党両院議員総会で辞任表明した。
「国民の皆さんが徐々に聞く耳を持たなくなってきてしまった」
鳩山氏は辞任理由をこう述べ、任期限りの引退を明言した。後に撤回したのはご存じの通りだ。
鳩山氏の地元・北海道のニュースサイト「BNNプラス北海道365」が今月20〜26日、「鳩山氏の今後に何を望むか」とのアンケートを実施した。回答総数(2417人)の9割弱は「引退撤回の撤回」を選んだ。さもありなん。ただ、当の鳩山氏はなお自分に不都合な声には耳を塞ぎ続け、自ら招いた混乱への反省の色もない。
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平成22年は政権交代の真価が試された一年だったが、国民の期待は裏切られ、失望へと変わった。激動の一年を2回にわたり回顧する。(阿比留瑠比)=肩書は当時