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【激動2010 政界回顧録】(上)吹き荒れた鳩山前首相のルーピー旋風 振り回される普天間 (2/3ページ)
「民主党は健全な党内民主主義を貫いていて幹事長が党や政府を支配することは一切ない」
鳩山氏は2月1日の衆院代表質問への答弁でこう強調したが、もうこの時期には鳩山氏の言葉を額面通り受け取る人はほとんどおらず、「平成の脱税王」と揶(や)揄(ゆ)されるようになった。
「税金を払っていなかったわけではない。税金を払っていなかったこと自体も全く知らなかったことで、分かった瞬間に納税の義務を果たしてきた」
鳩山氏は2月22日、記者団にこう弁明したが、もはや何を言っているのか理解できない。
3月3日の参院予算委で、鳩山氏は偽装献金問題について「(起訴された元秘書の)公判が終わったら説明する。いいかげんに済まそうというのではない」と断言した。だが、約束はなお果たされていない。つまりいいかげんに済ましたわけである。
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こうした一連の政治とカネの問題以上に、鳩山政権の命を縮めたのが米軍普天間飛行場(沖縄県宜(ぎ)野(の)湾(わん)市)移設問題だった。
昨年の衆院選で「最低でも県外」と自ら言い出しながら、最終的に沖縄県名護市辺野古という従来の結論にたどり着くまでの混迷は目も当てられない。
「政治家がばか者であり、トップの首相が大ばか者である。そんな国がもつわけがない」
4月7日の国家公務員合同初任研修会で、鳩山氏はこう訓示した。果たして何が言いたかったのか。
「辺野古の海に立って辺野古の海が埋め立てられることは自然に対する冒涜だと大変強く感じた。現行案受け入れなどという話は、あってはならない」
鳩山氏は4月24日、記者団にこう断言した。ところが、5月4日の沖縄訪問時には「学べば学ぶにつけ(米海兵隊の各部隊が)連携し抑止力を維持していることが分かった」とこれまでの発言を撤回した。「舌の根も乾かぬうち」とはまさにこのことではないか。しかも自らが招いた混乱がどれほど国益を損ねたかという自覚は乏しい。
「ルーピー〜」