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【激動2010 政界回顧録】(上)吹き荒れた鳩山前首相のルーピー旋風 振り回される普天間 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:鳩山前首相
「民主党代表として小沢さんを信じています。どうぞ戦ってください」
政権交代後初の民主党大会が開かれた1月16日。鳩山由紀夫首相は首相公邸で小沢一郎幹事長と会談した。資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で元秘書の石川知裕衆院議員ら側近3人が逮捕され、窮地に追い込まれた小沢氏は検察当局との対決姿勢を打ち出すと鳩山氏は全面支持を約束した。
行政の長である首相が、行政機関の一つである検察との「戦争」をけしかける−。何とも奇妙な事態だといえる。鳩山氏は1月21日の衆院予算委員会で「検察に圧力をかけるつもりはない」と釈明したが、その後もその場しのぎの軽薄な言動を続けた。
鳩山氏は自らも実母からの偽装献金問題を抱えていたが、1月25日の衆院予算委で追及されると「政治資金収支報告書を十数年見ていなかった」と責任を回避。翌26日の参院予算委では、実母からの資金提供額が7年間で12億6千万円であることも即答できず、指を折って数えた。
1月29日の施政方針演説で鳩山氏は「命を守りたい」と連呼した上で、インドの独立指導者、ガンジーの「七つの社会的大罪」を引用し、その一つとして「労働なき富」を挙げた。偽装献金問題が浮上し「恵まれた家庭に育ったもので…」(平成21年11月11日)と釈明したのは一体誰だったか。「あなたにだけは言われたくない」と多くの国民がのけぞったはずだ。