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ブラジル流、創部4年目の初陣…高校サッカー

名古屋入りが決まっている星稜の本田(6)
名古屋入りが決まっている星稜の本田(6)

矢板中央のミーティング。ブラジルの大会で勝ち取った優勝カップと国旗がある
矢板中央のミーティング。ブラジルの大会で勝ち取った優勝カップと国旗がある

 サッカーの第83回全国高校選手権は30日、東京・国立競技場の1試合で開幕し、31日から首都圏9会場を舞台に熱戦が本格化する。国際色豊かな初陣勢、元Jリーガーの熱血指導者……。今年も話題校がそろった。

 ◆星稜 国見にハットトリックMF本田

 チームの柱は、Jリーグ経験者だ。

 MF本田圭佑主将は、J1名古屋の指定強化選手として、7月24日のナビスコ杯・磐田戦のピッチに立った。13分間の出場だったが、「きついプレッシャーの中でもやれた。今は、高校レベルでは物足りなく感じるくらい」と自信をつけた。

 ガ大阪のジュニアユース出身。視野が広く、当たりの強さがある。左足でキープする独特のドリブルで突破を図り、絶妙のスルーパスを通す。9月の全日本ユースでは国見(長崎)を相手にハットトリックを達成。決定力の高さも見せつけた。

 もう一人のJリーグ経験者が、現役時代は平塚(現湘南)、名古屋などでFWとして活躍した野口幸司コーチ(34)。平塚時代には1試合5得点を記録したこともある。キック力のある本田には「後ろからの飛び出しを多くして積極的にゴールを狙え」と助言。FW陣にも球の受け方やDFとの駆け引きを指導して、得点力が増した。「技術だけでなく、精神面の教えも大きい」と河崎護監督は言う。

 すでに名古屋入りが決まっている本田だが、もちろん全国制覇が一番の目標。「最低でも4強入りして国立に行きたい」

 初戦の相手は滝川二(兵庫)だ。「みんな緊張すると思うけど、僕には経験がある。マークはきつくなるが、味方を信じて、良さを引き出したい」。主将らしい言葉で抱負を語った。

 ◆矢板中央 ブラジル留学の成果発揮

 初出場だが国際経験ではどこにも負けない。矢板中央は「ブラジル流」が合言葉だ。

 毎年、1年生の希望者がブラジル・サンパウロ州のサッカースクールに留学する。今年の3年生にも13人のブラジル帰りがそろった。

 DF青木は「ドリブルやパスはもちろん、手の使い方など細かい技術を学べた」。寮で1年間暮らしながら、サッカー漬けの毎日を送った。

 きっかけは高橋健二監督(36)が偶然目にした新聞記事だった。サンパウロに移住した日本人が経営するスクールが日本選手との交流を希望していた。「全国レベルに追いつくにはこれしかない」。自費で現地に飛んで情報を集め、当初は難色を示した学校側を説得した。95年以来、ブラジルに渡った部員は100人を超える。

 昨年涙をのんだ県大会決勝の壁を、1―0で乗り越えた。高橋監督は「スターはいない。全員守備、全員攻撃のチーム」。県大会4試合で無失点の数字がチームカラーを表している。

 初戦は全日本ユース選手権4強の鵬翔(宮崎)が相手だが、選手たちはひるまない。「ブラジルで学んだのは技術だけじゃない」とFW山本。遠征先では狭い体育館の倉庫に雑魚寝、地元高校の授業では慣れないポルトガル語に苦しんだ。

 15歳の春に親元を離れる道を選んだだけあって、自立して練習に取り組む選手ばかり。留学の一番の成果はここにあるのかもしれない。

 ◆羽黒 南米4人との混成チーム

 抽選会で開幕戦を引き当てた羽黒の三谷主将は168センチ。同じくDFを務める192センチのピレスと並ぶと、姿が隠れてしまう。

 対照的な2人に代表されるように日本とブラジルの混成チームだ。ブラジルからの留学生は4人。FWフェルナンド、中盤ではカルバリョが攻撃に厚みを加える。

 今年の全国高校総体では16強入り。J2山形のDFだった本街直樹監督(36)は8強を目標に掲げる。2カ国の力を結集し、初出場ながら旋風を巻き起こせるか。まずは30日の城陽(京都)戦に注目だ。

 ◆東海学園 創部4年目、初出場で自信

 創部4年目で初出場。元JリーガーでMFとして名古屋、神戸、甲府を渡り歩いた鶴田道弘監督(36)が133人の部員を指導する。

 00年度に女子校から共学へ。発足当初、部員は5人。メンバーをかき集めて臨んだ試合で、10点差以上で負けたこともあった。

 鶴田監督の強化で有望選手も入るようになり、今年は新人戦、県高校総体で優勝。今回の代表決定戦も制して三つのタイトルを獲得した。「選手が堂々としてきた」と鶴田監督。勢いづくチームが、歴史づくりに挑む。

 ◆済美 野球部の活躍に負けない

 済美の練習はエアロビクスから始まる。オランダ1部のアヤックスが取り入れているのを知って、導入したという。「体が温まるし、サッカーに必要なリズム感を養える」と西原主将。試合前のアップにも欠かせない。

 女子校が3年前に共学になった。今の3年生は1年の時から試合に出ているのが強みだ。隣のグラウンドで練習する野球部は今春の選抜大会に優勝し、夏の全国選手権は準優勝。野球部の親友から「国立まで勝ち進め」とゲキを受けた西原主将は「あいつらに負けないようにしないと」。

 ◆大分 韓国遠征で「当たり強く」

 大分の朴英雄監督(44)は韓国の元ユース代表で指導12年目。「激しく、かつ洗練されたサッカーを目指してきた。今年は完成に近い」と胸を張る。母国に毎年遠征して「伝統の当たり強さ」を体で覚えさせ、欧州へのコーチ留学で学んだ速攻も徹底させてきた。

 監督を慕って留学した元U16韓国代表のFW朴俊慶が攻撃の軸を担い、予選5試合で39得点を挙げた。「九州に強豪は多いけれど、大分も強いというところを見せたい」と朴。3年前の8強を超える成績が目標だ。 (12/28 17:59)









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