早くブルペンで投げている姿を見たい。そんな気持ちを抑えるように、原監督がドラ1・沢村への期待を口にした。
「今年もイキのいい選手たちがプロの門をくぐってくれました。彼には、その中で先頭を切って突っ走ってほしいと思いますね」
同世代のトップを走れ−。これが2010年最後の指揮官から沢村へのメッセージだ。
沢村の同世代はまさに群雄割拠。大学の同期生だけでも、オフの話題を独占している日本ハム・斎藤をはじめ、西武・大石、広島・福井の早大組、中日・大野(仏教大)に楽天・塩見(八戸大)らがいる。
さらに広島・前田健、楽天・田中ら、高校からプロ入りし、今や球界を代表する選手たちもひしめいている。このメンバーの中で先頭に立てれば、おのずとプロ野球界のトップに立てる、ということだ。
すでに、開幕投手候補の1人として沢村の名前を挙げている原監督は、「新人王獲得」も厳命している。次々と高いハードルを課しているのも、実力を認めているからこそだ。
指揮官の期待通りに沢村がトップを走り続ければ、来年の今頃、“ハンカチ世代”や“マー君世代”といった呼称は、“沢村世代”に統一されていることだろう。(阿見俊輔)