養子縁組制度を悪用して戸籍上の名前を変え、犯罪に使われる携帯電話を調達するなどのケースが後を絶たないことから、警察庁は、不正な養子縁組をあっせんしているグループの摘発を強化することになりました。
警察庁によりますと、他人とうその養子縁組をして戸籍上の名前を次々と変え、犯罪に使われる携帯電話や銀行口座を調達するケースなどが後を絶たず、ことし9月には大阪で養子縁組を繰り返して交通事故の保険金をだまし取ったグループが摘発されています。警察庁は、養子縁組制度の悪用は暴力団や詐欺グループが関係した組織犯罪の温床にもなるとして、インターネット上などで不正な養子縁組をあっせんしているグループの摘発を強化していくことになりました。また何度も名前を変えている人物を把握した場合には、背後関係の解明も進めるということです。この問題では、法務省が今月、養子縁組の届け出を半年間に2回以上した人や、通算で3回以上の人を対象に各地の法務局が調査を行えるとした通達を出しており、警察は法務局や自治体との連携も強めていくことにしています。