本紙選定「2010年韓国10大ニュース」(下)

■世宗市修正案否決、鄭雲燦首相が辞任

 行政機関移転にかえて企業・大学・研究所中心の経済都市として世宗市を作り上げようとした韓国政府の修正努力が、法案否決という形で挫折した。鄭雲燦(チョン・ウンチャン)首相が昨年9月の就任直後に世宗市の計画修正を公式化して以来、与党指導部は政界および忠誠地方で説得作業を繰り広げたが、6月29日、国会の表決で修正法案は通過しなかった。全野党が反対するという状況下、与党ハンナラ党内でも朴槿恵(パク・クンヘ)元代表が「原案固守」の立場を鮮明にし、朴元代表に近い議員がこれに加勢した。李明博(イ・ミョンバク)大統領は、「遺憾ではあるが、国会の決定を尊重する」と述べ、鄭首相は世宗市計画修正失敗の責任を取り、8月11日に辞任した。就任からわずか10カ月だった。

■四大河川整備事業が問題に…賛否をめぐる終わりなき戦い

 08年末に着工した四大河川(漢江・洛東江・錦江・栄山江)再生事業は、今年も政界最大の懸案の一つだった。韓国政府および与党が、「国土の均衡発展促進のための、韓国型ニューディール事業」だとして工事を推し進める中、野党および宗教界の一部、進歩系の市民団体が「4大河川の死」と反対する様相が一貫して続いた。とりわけ、反対者らは「4大河川再生事業は偽装大運河」と攻勢をかけ、韓国政府は「大運河ではなく、治水事業」だと反論した。来年度予算案をめぐる年末の対立も、中心は4大河川再生事業だった。12月8日、ハンナラ党の強行採決により、5兆4600億ウォン(現在のレートで約3930億円、以下同)規模の4大河川再生事業予算はほぼその骨格を維持し、これに反発する民主党は「場外闘争」を選択した。

■キム・ヨナ、オリンピックで金メダル…世界フィギュア史も変えた

 キム・ヨナ(20)=高麗大=は、2月にカナダのバンクーバーで開かれた冬季オリンピックで、韓国にとても大きな幸せをもたらした。韓国人としては史上初となるフィギュアスケートの金メダルを獲得しただけでなく、世界のフィギュア史まで変えた。ショートプログラムおよびフリーの演技でキム・ヨナが獲得した合計点数は228.56。これは、04年に新採点制度が導入されて以降最高の点数だった。2位の浅田真央(205.50)を、圧倒的な点差で引き離した。競技を中継した米国NBCの解説者は、「女王陛下万歳」と興奮の叫びを上げた。キム・ヨナは、米国の女性スポーツ財団が選ぶ「今年のスポーツウーマン」にも選ばれた。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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