本紙選定「2010年韓国10大ニュース」(中)

■韓米FTA再交渉妥結、国会での批准を残すのみ

 12月3日、韓米自由貿易協定(FTA)再交渉が最終妥結した。これで、2007年6月30日に署名を終えた後、3年間もたなざらしになっていた韓米FTAは、両国議会での批准同意手続きを残すのみとなった。再交渉で、韓国は米国に輸出する自動車の関税撤廃を「排気量により、発効後即時もしくは2年後」から、「発効から4年後」に延長することに同意した。そのかわり、米国産豚肉に対する関税撤廃を2年延長し、ジェネリック医薬品の製造・販売期間を1年6カ月から3年に延長するという反対給付を受けた。ところが、利益のバランスが取れていないという韓国国内の反対世論もあり、今後の国会での批准同意には難航が予想される。

■金正恩氏による後継構図が確定、北朝鮮の「三代権力世襲」公式化

 北朝鮮は、9月27日に金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男・金正恩(キム・ジョンウン)氏(27)に対し人民軍「大将」の階級を付与したのに続き、9月28日には44年ぶりとなる労働党代表者会を開き、正恩氏を党中央軍事委員会副委員長に任命した。封建時代以降類例のない「三代権力世襲」を公式化したわけだ。労働党の規約上、中央軍事委は北朝鮮軍を指揮し、軍事政策を総括する機構だ。北朝鮮は、それまで中央軍事委にはなかった「副委員長」のポストを新たに設けた。しかし、世襲が成功するかどうかはまだ不透明で、金総書記がどれだけ長生きするかにかかっているという分析も多い。

■北朝鮮、寧辺の大規模ウラン濃縮施設を電撃公開

 北朝鮮は11月初め、訪朝した米国の原子力専門家ジークフリート・ヘッカー氏(写真)に対し、遠心分離器約1000基を備えた寧辺の大規模ウラン濃縮施設を電撃公開した。02年に米国から高濃縮ウラン(HEU)計画の存在を指摘されながらそれを否定していた北朝鮮が、ウラン問題を先に提起した意味については、「対話要求に冷淡な米国への圧迫用」という解釈が支配的だ。HEUは、プルトニウムより隠匿性・可搬性がすぐれており、遠心分離器が2000基あれば、年に1発の核弾頭が製造できる。北朝鮮がヘッカー氏に明かした遠心分離器の数も、2000基だ。韓米は、北朝鮮が寧辺のほかにも秘密のウラン濃縮施設をさらに3-4カ所隠し持っていると見ている。

■6・2統一地方選で地方の権力交代、7・28再・補選ではハンナラ党が勝利

 6月2日に行われた統一地方選挙は、ハンナラ党の惨敗で終わり、「地方権力」が野党側に移った。民主党をはじめとする野党は、ハンナラ党の票田となっている慶尚南道・江原道の知事など、10ポストの広域自治団体長職を確保したが、逆にハンナラ党はソウル市・京畿道で辛勝するなど、6ポストにとどまった。全国228の基礎自治団体長選挙でも、野党側は146カ所で勝利、86カ所にとどまったハンナラ党を圧倒した。しかし2カ月もたたない内に行われた7・28国会議員再・補選では、ハンナラ党が民主党を5対3で破り、政界は急変する民心の恐ろしさを実感した。6・2統一地方選と7・28再・補選以降、ハンナラ党と民主党はそれぞれ全党大会を開き、新指導部を発足させている。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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