1/72 デストロイド ディフェンダー 製作編 | ||
|
||
さて毎度恒例となった、このコーナー! なんと三ヶ月連続です!!(疲れる…) 発売中のモデルグラフィックス2月号に掲載の、デストロイド ディフェンダーの製作過程を細かく解説していきます。本誌と合わせて読めば楽しさ1000000倍!(当社比) 本誌上で解説した部分はなるべくはしょっていくので、そのつもりでお願いします。公開は一ヶ月限定なので、参考にしたい人は各自保存するように!! | ||
まずは改修前後の比較です。またまたヘンテコな成型色ですが、テストショットなのでご容赦を。皆さんには関係のないことですが、今回はこの成型色に最後まで悩まされました。 本体のガンメタル色の部分は、半透明のスモークグレーの樹脂の中に銀色の粒子が混ぜ込んであるような組成になってまして、表面を削ると樹脂の内部で光が乱反射して、形の認識が非常にやりにくい! 内部に樹脂が流れた跡が残っているので、表面のモールドを削っても、そのモールドがそこにまだあるように見えたり…。テストショット用の安い樹脂なんでしょうけど、もう少しなんとかならんかったんでしょうか(泣)? このキットで一番気になるのが『幅が広い』ということ。肩関節に取り付ける円盤状の部品を使わないことで、かなりシェイプできるんですが、できればもう少し細身にしたかったですね。上半身と腕を切り詰めようかとも思ったんですが、いい切断ラインを見つけられず、どこをどう切っても大変な工作になりそうだったので、今回はあきらめました。ま、ベストプロポーションのディフェンダーはWAVEから出るんだし、それでいいじゃん♪(←本末転倒) |
||
今回撮影した改修後の写真は、少し俯瞰になっちゃったのでゴメンなさいね。若干上から見下ろしてるんだという認識で見て下さい。腰回りがスマートになり、踵が高くなっているのが分かるでしょうか? この工作で身長は2mm程度延びています。ふくらはぎ部分をプラ板で作り直しているのもポイントですね。 | ||
腕の二連砲が細くなったことで、かなりスマートな印象になっているのが分かると思います。両腕の上部には黄色いレジンブロックを貼り付けて尖らせていますが、ココは全体のシルエットにも関わってくる部分で、全体をシャープにスマートに見せることができるので結構効果的。キットではココに排気口らしき穴が開いていますが、どの設定画を見てもそういった穴は確認できなかったので、私は開けませんでした。両肩のマガジンは前の面を寝かせて角度を付けましたが、もう少し寝かせてもよかったかな? | ||
|
||
これはオマケ♪ ウチのジャンクボックスにアリイの1/72トマホークがあったので、引っぱり出してきました。正に刻を超えた邂逅(笑)。
アリイのキットというと、もうそれだけで悪評が立ったりしますが、このトマホークに関してはそうでもなくて、かなりよくできている部類だと思います。モールドはいつものアリイテイストですが、それがかえってデストロイドのゴツさを演出していて、実にいい感じ♪ ぶっちゃけ私はディフェンダーよりも、こっちのトマホークのほうが好きですね。当時は下半身をディフェンダーから流用するというのが定番だったようですが、おしりと足首に関してはトマホークの方がよくできています。流用したい所ですが、そうもいかないしなァ……(泣)。 |
||
|
||
胸部はこのキットを製作する上でのポイントとなる所です。全体的にザックリと大味すぎるので、各ブロックの継ぎ目を彫り込んだりして、形を明確にしていきましょう。赤矢印の部分にはパテ盛りをして面取りを変えてやります。この辺の形状は、ディフェンダーのコクピットの設定から判断することができますよ。肩関節には4mmポリキャップを内蔵したレジンブロックを接着。マガジンを取り付ける部分には穴を開けてしまい、メカパーツの位置をなるべく下げるようにします。 | ||
マガジンは接着面で幅詰めをしてから赤線のラインで切断し、前の面の傾斜をきつくして再接着します。内部にはネオジム磁石を取り付けたレジンブロックを接着しておき、メカパーツの裏側にはフェライト磁石を取り付けました。もちろんこちらもネオジム磁石でよかったんですが、たまたまフェライト磁石が余っていたので使ってみました。 | ||
腰は設定画にあるような面構成にするため、ノコで切り込みを入れて、底板を内側へ折り曲げるように加工します。この画像は腰の後ろ側の部品ですが、もちろん前側も同様に加工しておくこと。
股関節には4mmポリキャップを埋め込みます。これはガンダムWやXのころに1/144キットの膝関節としてよく使われていたポリパーツを、真ん中から二つに切った物です。 |
||
|
||
股関節…と言うか大腿部の部品は赤いラインで切断し2mm幅詰め。これは表側のモールドに影響しないギリギリの線です。股関節の軸は4mm径のT字型ランナーを使用。一方の軸が3mm径だったので、4mmプラパイプをかぶせてあります。さらに下部には3mmポリキャップをガッチリと固定。
そしてそれを受ける膝関節部分には、レジンブロックを接着してから3mmランナーを立てておき、ここに先のポリキャップを接続します。 |
||
スネは接着面で下すぼまりのクザビ型に2mm幅詰めし、正面形が長方形になるようにします。スソの後ろ側(丸く膨らんだ部分)は下側を2mm切り取って短くしておきましょう。
足首関節には3mmポリキャップを使いますが、それを受けるためにダボには4mmプラパイプを挿し込んでおきます。このときポリキャップは正面から見たスネの中心ではなく、少し外側寄りに取り付けておくと、ガニ股で立ったときに足首関節の流れが自然になりますよ。 |
||
足首フレームはモナカ状で中身がスカスカなので、動かすときにグニャグニャ歪んで頼りないです。そこで内部にランナーを接着して強度を上げておくと安定感が出ます。ツマ先と踵を取り付ける軸は3mmポリランナーで作り直しますが、ツマ先の軸は位置を斜め下に少しズラします(赤丸がもとの位置)。こうしておくとツマ先を動かすときにスレが少なくなりますし、足首が若干大きく見えるので一石二鳥! | ||
踵はとにかく幅があり過ぎるので厚さを半分に削り込み、さらに中央で切断して2mm高さを増してやります。この踵は抜きテーパーのせいで足底が水平ではないので、この作業をするときに調節して、水平垂直をきっちり出しておきましょう。
マクロス定番の丸イチモールドですが、いったん穴を開けて裏からレジンブロックを接着しておきます。こののち表側からドリルで半球状にえぐって、細いプラ丸棒を接着してやりました。 |
||
|
||
腕本体は1mm幅詰め。
上部のモールドや肩関節はそのまま削っていくと穴が開いてしまうため、ヒートペンで押しつぶして形を変える工法を試してみましたが…結果的には失敗でした。肩関節はこのあとどんどん削り込んでいくことになるんですが、その結果肉が薄くなってしまい動かしている最中に壊れてしまいました(泣)。素直にパテを充填しておけばよかった。 砲身を取り付ける部分には7.1mmプラパイプを埋め込んで、5.5mmパイプで自作した砲身を差し込めるようにしておきます。 |
||
|
||
これ以外の工作としては、胸の投光器内部にハロゲンライトの発光体をイメージして、クリアーランナーを二本づつ取り付けてみましたが……まったく見えませんね、ハイ(泣)。クリアーパーツの接着は部品をハメ込んだあとに、GSIクレオスのメタルプライマーを面相筆で少量ずつ流し込んでおこないました。接着力は弱いですが、クリアーパーツを汚さないので便利です。
砲身にある黒い三本線は、キットのような凸モールドにするかどうか最後まで悩んだんですが、結局塗装のみにしました。ですがそのことをすっかり忘れていて、先に砲身を腕本体に接着するという大失敗をしてしまいました! 接着前だったら一本づつ指でクルクル回しながら、面相筆でキレイに塗れたのに…。結局泣きながらフリーハンドで塗ったんですが、案の定フチがブレブレ。でもエナメル塗料だったので溶剤を含ませた筆でフチを拭き取っていったら、なんとなくいい感じにボケてそれっぽく見えちゃった。ラッキー♪(←いいかげん) デカールは今回は再販分が間に合いました。スネ側面の白いラインは大きなモールドをまたぐので貼りにくいですが、マークソフターで充分軟化させてから押さえるとなんとかなります。破れてもあわてず騒がず、乾燥後に白でリタッチしましょう。 |
||