防衛省は、13日までの財務省との調整で、週内にも閣議決定する新たな「防衛計画の大綱」の別表に盛り込む陸上自衛隊の定員削減が千人にとどまったことを受け、南西諸島方面での陸自部隊増強を今後着実に進めていく方針だ。
南西諸島防衛では、海上自衛隊の潜水艦を16隻から22隻態勢に増強。航空自衛隊については那覇基地の戦闘機を現行の約20機から約30機に増やす方向。陸自に関しては、部隊が常駐していない宮古島以西の「防衛力の空白地域」(北沢俊美防衛相)に新たに部隊配備する方向で、2011年度予算概算要求に調査費を計上している。
定員をめぐる折衝で陸自は当初、現行の15万5千人を16万8千人に引き上げるよう主張、一方の財務省は、厳しい財政事情を背景に14万8千人とする削減案を提示し、防衛省との折衝は難航。最終的に、沖縄県・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件をきっかけとした「対中警戒論」の高まりを追い風として、大幅減を回避した。
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