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【社会】

海上保安官を書類送検へ 尖閣映像流出、起訴猶予の公算大

2010年12月16日 夕刊

 尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突の映像流出事件で、警視庁は東京地検と協議のうえ来週にも、国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで、関与を認めている神戸海上保安部(神戸市)の男性海上保安官(43)を書類送検する方針を固めた。海上保安庁は保安官を懲戒処分とする方向で調査を進めており、東京地検は海保の処分を受けて年明けにも刑事処分を決めるとみられる。

 警視庁と東京地検は保安官や海保職員から事情聴取する一方、パソコンの解析などから映像がどの程度の範囲で閲覧・入手されていたかなどを調べた。その結果、映像は同法の定める「職務上知り得た秘密」に当たるが、保安官の行為については刑罰を科すほどの悪質性はないとの意見が強まっており、起訴猶予となる公算が大きい。

 捜査関係者によると、保安官は11月4日、神戸市のインターネットカフェから、石垣海上保安部が撮影した中国漁船衝突時の映像をインターネット上の動画サイト「ユーチューブ」に投稿し、職務上知り得た秘密を漏らした疑いがある。

 映像は9月中旬から下旬にかけての4、5日間、海上保安庁のサーバー内にある海上保安大学校(広島県呉市)の共有フォルダーに保管され、全国の海保から閲覧可能な状態になっていた。この間に、巡視艇「うらなみ」の同僚乗務員が偶然発見し、巡視艇の共用パソコンに保存。保安官が10月中旬、USBメモリーで映像を持ち出し、自宅のパソコンに取り込んだ上で、ネットカフェから投稿したとみられている。

 海上保安庁は11月8日、警視庁と東京地検に国家公務員法違反などの容疑で被疑者不詳のまま告発。保安官がうらなみ乗務中の同10日、船長に「私が映像を流出させた」と打ち明け、警視庁と東京地検が任意捜査を続けている。

 

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