政治

文字サイズ変更

中国漁船・尖閣領海内接触:ビデオ流出 保安官、きょう書類送検 守秘義務違反容疑

 ◇停職処分も

 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡るビデオ映像流出事件で、警視庁捜査1課は、第5管区海上保安本部の神戸海上保安部所属の海上保安官(43)を国家公務員法(守秘義務)違反容疑で22日に東京地検に書類送検する方針を固めた。パソコンの解析や関係者聴取などで流出経路をほぼ特定、保安官が職務上知り得た秘密を漏らしたと判断した。海上保安庁は保安官の辞職を認めず、同日、停職処分にする方針。保安官は処分直後に依願退職するとみられる。

 警視庁関係者によると、保安官は10月中旬、乗船していた巡視艇「うらなみ」の共用パソコンからUSBメモリーで映像を持ち出し、11月4日夜、神戸市内の漫画喫茶から動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿し、誰でも見られる状態にした疑いが持たれている。

 捜査1課の調べに「国民に広く知ってもらいたかった」と容疑を認めているが、投稿者名を「sengoku38」とした理由は説明を避けているという。送検を受け、東京地検は年明け以降に刑事処分を決めるが、検察内部では不起訴処分(起訴猶予)にすべきだとの意見が出ている。

 海保は22日、庁内ネットの使い方を誤り映像流出を招いたとして、海上保安大学校職員や保安官の上司なども一斉に処分する。鈴木久泰長官については、情報管理の不備と監督責任を問い、馬淵澄夫国土交通相が減給処分にするとみられる。馬淵国交相も給与の自主返納を検討している。【山本太一、石原聖】

毎日新聞 2010年12月22日 東京朝刊

PR情報

政治 最新記事

政治 アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド