中国漁船の３人引き渡し…中国漁船転覆事件

　韓国中西部沖の黄海で１８日、不法操業を取り締まっていた韓国海洋警察庁の警備船に中国漁船が突っ込み転覆した事件で、群山海洋警察署は２５日、特殊公務執行妨害容疑で取り調べていた中国人乗組員３人を起訴せず、中国側に引き渡したことを明らかにした。３人は同日中に中国へ出国した。

　事件をめぐり、中韓両政府は事件を外交問題化させず、早期に解決する方針で一致。尖閣諸島沖で中国漁船が日本の巡視船と衝突し海上保安庁が中国人船長を逮捕したのとは対照的な迅速な対応となった。しかし、２４日の捜査開始からわずか１日での不起訴決定と引き渡しには、韓国国内で批判が高まる可能性もある。

　同警察署によると、３人は２５日午前、仁川国際空港で中国総領事館の関係者に引き渡された。正午（日本時間同）の便で、中国・大連に向けて出国した。

　同署などによると、３人は調べに対し、ほかの中国漁船を追尾していた警備船を妨害しようと、故意に衝突したと供述。だが、操舵していたとされる船長は死亡しており、３人は衝突に積極的に加わらなかったとみられ、捜査にも協力したことから起訴しないことを決めた。

　漁船は警備船の船首部分に突っ込み、転覆して乗組員１０人のうち船長が死亡、１人が行方不明となった。５人は現場で中国漁船が救助。韓国側は３人を救助、保護していた。また、ほかの漁船に乗り移ろうとした海洋警察官４人が漁船乗組員に鉄パイプなどで殴られ、腕の骨を折るなどした。（共同）

（2010年12月25日14時36分  スポーツ報知）

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