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■ひとのために穴を掘る者
えらくローカルな話題で申しわけないっす。
2010年3~4月に起きたという、『岡崎市立中央図書館事件』を最近マスコミ報道で知りました。
岡崎市立中央図書館のホームページ(Libra)のユーザーの方が、図書館のホームページが使いにくかったので、自分専用のサイトをつくって予約したり新着図書を検索したいと考え、検索するためにデータベースにくり返しアクセスして、図書館のサーバーをダウンさせ、偽計業務妨害(というらしい)で逮捕された事件です。
当事者自身が経緯を説明するホームページを開いているので、それもご参考ください。
■インターネット時代の図書館
この事件を聞いて、いちばん最初に思ったことは、3つあります。
ひとつは、日本の図書館はインターネット時代に対応していない、という諦念のようなもの。
もうひとつは、ああ、プログラムのできるひとは、まあ(特に地方の)図書館の提供している旧態依然としたプログラムに、耐えがたいものを感じるのだなぁ、という共感です。困難な課題があれば、それを解決したいという、ライフハッカーの性(さが)のようなものです。
最後が、まあサーバーをダウンさせちゃ元も子もないだろう、ってことです。
■10年で3801冊
かつてわたしは約10年間、図書館の超ヘビーユーザーであったことがありました。借りた本を一覧にすると次のようになります。
- 1996年 466冊
- 1997年 488冊
- 1998年 394冊
- 1999年 428冊
- 2000年 586冊
- 2001年 573冊
- 2002年 227冊
- 2003年 304冊
- 2004年 239冊
- 2005年 96冊
借りも借りたり、読みも読んだりという感じです。エスカレートするタイプです。
2006年以降は0です。
あるときを境に、図書館から本を借りることはなくなりました。
借りなくなった理由はいくつかあります。
ひとつは、借りた本はデジタル化できないということです。
デジタル化するためには、本を断裁し、紙束にしてスキャンしていくのがもっとも効率的ですが、借りた本ではこのようなことはできません。これはとても大きな理由です。あわせて、借りる本よりも買った本のほうが好きだ、ということもあります。この10年のあいだにも図書館で借りると同時に、多数の本を買っていましたが、最近は際限なく...。
もうひとつは、この都下K市、あえて固有名詞は出しませんが、この図書館システムは、あまりにも使いにくいことです。
使いにくい図書館システムは岡崎市に限られないのです。
■ホームページを作る
かれこれ8年になります。当時のK市図書館の館長から「図書館でホームページとインターネットの検索システムを立ち上げるので、アドバイザーになってほしい」、と依頼されました。
地方の図書館の館長は、だいたい2年起きに変わってしまって、すでにそのときの館長から代替わりして3人目か4人目になっているので、どこまで本気だったのか、いまとなってはよくわからないのです。
ともあれ、ホームページを作るということですから、できることは協力したいと思っていました。念のためにいえば過去形ではなく現在進行形です。協力できるのならする気はあります。
できたホームページは、現在のかたちとほとんど変化はないのです。じつに8年も...。ご覧いただくとわかるように、トップページには、JavaScriptを使っています。図書館のページでいちばん利用するのは蔵書検索だと思いますけれど、トップページには検索機能がありません。
トップページにJavaScriptやフラッシュを使って、一見派手に見えるけれど、すぐに飽きてしまうページを作るのは、まあ、一昔前のホームページの定番の作り方のようなものです。
アニメーションは一度見れば飽き、くり返してみたいと思うほどに作り込むのは、宮崎駿くらいの才能が必要です。
作られたのは約8年前。blogのブームはずっとあとで、ホームページやインターネットは「更新する動的なものである」ことを知らないと作りがちな典型的なページです。
しかも、検索ページは、旧来の図書館システムそのままで、著者名だとか、フリーワードだとか、資料区分だとかのチェックボックスが多数あり、どこになにを入れたらよいのか、ぜんぜんわかりません。書名という項目さえないのです。
さらに各ページは、フレームを使っていて、フレーム対応していない貧弱なブラウザでは、ほとんどページの内容を見ることができません。
図書館システムは万人が使うので、わたしの考える「使いやすい」と、図書館の考える「使いやすい」は異なっていることは容易に予想できます。それでも、フレーム、JavaScriptなどがないとアクセスできないのでは、万人向けというのには、やや難があるのではないでしょうか。
アクセシビリティの点でも、デザインの点でも、とうてい現代的とはいえないと、このホームページを見たときから、8年にもわたって、わたしは何度も提言書を書きアドバイスしました。
■税金は多分湯水のように使われている
結論からいうと、8年間まったく変化なし。
なるほど行政とはこういうものかと思います。
このページを修正する提案のページも試作しましたが、採用されませんでした。
それならばと、いっそシステムぜんぶを受託して入れ替えてしまうことも考えました。
このK市の場合、ホームページと図書館システムは、公開入札ではなく、主としてハードウェアメーカーを中心とした指名入札制で行われています。
入札は5年ごとの更新です。現在までの運用システムを構築している会社は、貸し出しシステム(6台のデスクトップマシンとSPARCサーバー)を使っていて、年間に1,358,000円の運営費をとっています。単純計算すると5年間で679万円です。
貸し出しシステムもあるので単純にはいえませんが、このホームページが679万というのは、いやじつにいい商売です。
というのは、貸し出しシステムは、基本的に古いデータベースでできているので、新規開発はほとんどしていないと考えられるためです。
しかも、この679万円には、ホームページの更新費用は含まれていないのだそうです。メンテナンスは別途契約だというのです。
で、そのJavaScript、フレーム、トップページの検索枠新設の見積もりをとったら、30万円だったか40万円だったか。
いや~、すごい商売があるんだな~と思いますよ。
別途契約ということは、基本的にこのホームページの管理者は、K市の図書館であることを意味します。すなわち、コンピュータに関してはほとんど素人であると思われる図書館の職員が、SPARKマシンを使って、JavaScriptを触る以外に、ホームページを更新する方法はないわけです。
ちなみに、トップページの見積もりをとったときに、同社のメンテナンスの担当者から話を聞くことができたのですが、その方によると、JavaScriptでこのホームページを作った担当者はすでに退社していて、このままページを更新するのはむずかしく、新規に作り直したほうが早いという見解でした。
わたしもそれは同感で、ボタンに画像を使っていたりするので、レイアウトをいじると画像を編集することになり、単にソースコードだけでは変更できません。
■見積もってみた
仮定の話でいうと、現在のPCがまあ5万円前後、おおまけにまけて10万円として6台で60万円。サーバーは契約で年間どの程度でしょうか。12万円くらいで足りるでしょうか。バーコードリーダーが代数分。あわせてハードウェアで60万+12万×5年+1万円×6台=136万円。
これにソフトウェアです。
SQLデータベースの図書館システムの新規開発で100万円。
ホームページは月1回更新に5万円×12カ月×5年で300万円。
あら、ざっくり合計したら、536万円ですか。あまり下がりませんが、それでも679万円の現行よりは、130万円くらい下がりますし、新規開発の終わった図書館システムは、その後はメンテナンスだけになるので、償却すればこの価格も下がります。
ホームページも月1回なんていらないとなれば、劇的に下がるはず。
安ければよいというわけではありませんし、開発やメンテナンスの人件費は下がりませんけれども、この程度の見積もりを出す機会すら指名入札では不可能です。
■Googleブックスキャンと日本の図書館
一体全体、なぜこんなことになっているのだろうか、などと考えたり、改善案を提案したりするのは、互いに信頼関係がないとむずかしいものです。
わたしは図書館の館長から依頼を受けましたが、図書館の職員にとっては一利用者にすぎないようです。
一般的にいって、行政の前で、一利用者の立場はたいへん弱いものです。
それだけでなく、技術の話をしても、技術に関心がないひとには伝わらないか、怖がられるか、嫌われるかなのだな~と、内心忸怩たるものがあります。
図書館職員は、貸し出し業務で多忙で、ホームページに割くエネルギーはないのです。
それはわからないではありません。
それでも、じっさいに税金がこんなかたちで使われているのは、あんまりだと思います。個人的な感想ですけれども。
どのようなかたちでコミュニケーションをとればよいのか、正直いってむずかしいなと思っています。問題はソフトだけではなく、人材や雇用などにまたがっていると考えざるを得ず、外部の一利用者がソフトだけで解決するのはほとんど困難です。
同時期にGoogleは大学図書館などと組んで、ブックスキャンを大規模に始めていました。
Googleブックスキャンの担当者にインタビューしたこともありますが、技術があり資本がありマンパワーもあり、新しいことを始めていくことに対する意欲も貪欲で、とうてい地方の一図書館では太刀打ちできるはずもありません。
そこに肩入れするのがどれほど無力か。担当者とのあいだのコミュニケーションもないのです。
■カーリル
岡崎市立図書館事件を知ったときに感じたのは、その無力感への共感でした。ひょっとして、同じ構図なのではないかと思いました。
あるいは最近サービスの始まった『カーリル』。
『カーリル』は、「全国4300以上の図書館から貸し出し状況を検索できるサービス」を謳っていて、そのリストにはK市もありますが、じっさいには、『カーリル』ではK市の図書館を検索することはできませんでした。
ま、なければ作るしかないのだなと思うわけです。
もうひとつ気になることがあります。
『カーリル』のこの謳い文句を見ると、ひょっとしてこの図書館を取り巻く旧態依然とした状況は、全国4300か所で起きているのではないか。
単純計算すると、700万円×4300か所で3010億円になります。
ほとんど言葉を失います。
■図書館検索システム
そんなわけで、ささやかながら、K市の図書館の検索システムをより使いやすくしたシステムを試作しました。
単に図書館の蔵書だけでなく、おなじ本をAmazonでも検索します。
この図書館のシステムは、OPACという共通システムを使っているようです。ですから、ひょっとしてですが、URLのベースの部分だけを自分の地域の図書館に入れ替えれば、そっくり動く可能性もあると思います。
もし動くとしたら、それはそれでため息の数が増えるわけですけれども。
■ソフトについて
ソフトを作成したいという岡崎市立図書館の事件の場合と、ほぼおなじです。
異なるのは、この『amazonlibrary』は、書籍名から検索することを主眼としたソフトであり、書籍名の入力は基本的には手動なので、サーバーをダウンさせるような自動化には、基本的に未対応だということです。
いくらなんでも、逮捕者も出た事件を知っていながら、おなじ機能のソフトを作るわけないですね。
Windows XPで動作テストしています。動作には、.NET Framework2.0が必要です。
アイコンは『iconspedia』のJonas Rask DesignさんによるLibrary iconを使用しました。
ソフトだけで、図書館を取り巻く状況を改善できると思うほど楽観的にはなれませんし、先のリストの通り、わたしはもう図書館では本を借りないと思いますので、このソフトを使うこともないと思います。それでもやはり、なんとかしないとだめなんじゃないか、と表明するために。
(美崎薫)
UPDATE:誤植を修正しました。ご指摘コメントありがとうございました!
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カリール → カーリル
>カリール
カーリルじゃないの?
宇都宮市図書館のシステムもひどいですよ.
全部POSTで, 「戻る」ボタンは使うなという....
あとはhtmlがエラーを吐いたりする
http://www.lib-utsunomiya.jp
見積の金額(ソフト&メンテ)ですが、あんな金額で仕事するプロはいないと思います。
OPACの全文一致検索の融通の利かなさに図書館HPは敬遠。館内の検索端末の方がまだマシ。
ご無沙汰しています。
「カリール」 → 「カーリル」です。
http://calil.jp/
よろしければ修正お願いします。
利用者メニュー内にログアウトボタンの無い
図書館サイトが散見されます。
サイトトップに戻ればログアウト扱いになるのでしょうけど
これ、非常に不安になります。
貸出状況や予約状況が個別のページでしか
確認出来なかったり、ホント、とてもじゃないですが
利用者の立場に立って作られているとは言えません。
でもこういう事って、一箇所の図書館しか利用していなければ
なかなか分からない事かもですよね。
私は都内の4区分の図書館を利用していますが
色々使い比べてみて初めて各図書館サービスの
良し悪しが見えて来ました。
>逮捕者も出た事件を知っていながら、おなじ機能のソフトを作るわけないですね。
7月ごろ、M系委託業者により、既にシステムのバグ等は修正されたそうで、同じ1秒間に1回のアクセスでダウンすることはなくなったようです。ですが、O図書館はさらに税金を投入しシステム更新を決めたそうです。「同じ1秒間に1回の」大量アクセスにも耐えうるシステムになるそうです。
見積もりが酷すぎる。そんな金額でまともなシステムが作れるはずがない。