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播州日記:年末回顧編 地域医療に目を /兵庫

 加古川市民病院と神鋼加古川病院の統合・再編問題が明らかになって来月で1年。新病院の経営主体となる地方独立行政法人加古川市民病院機構の4月1日設立に向け、市と2病院による懸命な作業が続く。1月の評価委員会では、向こう5年間に機構が取り組む中期計画が確定する。東播磨の医療界は全国的にもまれな官民による統合・再編問題を注視する1年だった。

 すべての始まりは医師不足。特に市民病院の内科医激減が病院経営に大きな影を落とし統合・再編への道につながったことは否めない。「市民病院がなくなる」「莫大(ばくだい)な財政負担だ」。反対の声に市は「病院経営から手を引くのが一番楽だが、地域医療を守るため」と突っぱねた。

 地域の中核病院として安定した先進医療を提供することは行政の責務で、企業の地域貢献でもある。県の保健医療計画は市民病院を小児医療・周産期母子医療センターと位置付け。一方の神鋼は循環器領域に強い。互いの補完を強化というのも統合・再編の狙いだ。

 一連の問題を契機に、今年は「地域医療」をテーマにしたフォーラムが相次いだ。行政や医療従事者だけでなく市民も“患者”という当事者だ。私たちも一層地域医療論議を高めなければならない。【成島頼一】

〔播磨・姫路版〕

毎日新聞 2010年12月30日 地方版

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