産業廃棄物の出島処分場(広島市南区)をめぐり、建設を進めている広島県は、目指していた2011年度中の稼働開始時期が、13年度以降にずれ込む見通しを明らかにした。産廃の搬入方法を海上から陸路に変更する方針を示したのに伴い、処分場内か周辺に産廃を一時保管する施設を建設する必要があるため。
27日夜、南区であった地元住民との連絡調整協議会で説明した。保管施設では、運び込んだ産廃に有害物質が含まれていないか抜き取り検査をする。産廃の海上輸送を想定した当初計画では、五日市地区に建設予定だった積み出し施設にその機能を持たせていた。
県産業廃棄物対策課によると、保管施設の建設候補地は処分場内か隣接地の4案。このうち工期が最も短いのは処分場北に隣接する県有地に造る案で、完成まで2年半から3年かかり、事業費は約29億円を見込む。処分場の稼働は保管施設の完成後となるため、早くても13年度中となる。
他の3案は、隣接地(埋め立て中)の2カ所か、処分場内の水面に浮かべた台の上に建設する。3案の工期は3年半〜6年で、事業費は約60億〜63億円。
県は近く、この4案の中から環境への影響やコスト、住民の意見を踏まえて保管施設の設置場所を決める。1月中旬までに搬入ルートなども含めた事業計画の見直し案をまとめ、3月の正式決定を目指している。
ただ、県の五日市処分場(佐伯区)が08年度末で受け入れを終了した後、県外の処分場に搬出している民間事業者もあり、出島処分場の稼働の遅れは事業者に影響を与えそうだ。
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