里見浩太朗―時代劇にこだわり 「水戸黄門」で名演技時代劇一筋の人生。「僕はラッキーだなと万物に感謝している」と話す里見浩太朗=東京都内 ドラマ「大江戸捜査網」「長七郎江戸日記」など、数々の作品で名演技を見せてきた“ミスター時代劇”里見浩太朗。74歳の今も「水戸黄門」第42部(TBS系)で主演するなど、第一線で活躍中だ。 CSの時代劇専門チャンネルなどで昔の自分を見ると「格好いい! 『できたらもう一度やってみたいな』との思いに駆られるのは、当時の作品が楽しかった証拠です」とほほ笑む。 50年を超える芸歴の中で抱き続けてきたのは「格好いい場面がたくさんある本当の時代劇」への情熱。演出で「時代劇っぽくやらないで」と言われると、「時代劇は時代劇」とカチンとくるとか。「時代小説を読んだ人がイメージする立ち居振る舞いが、時代劇にはある。それを無くしてはいけない」 意外にも、時代劇役者として本当に自信を持てるようになったのは、50歳を過ぎてからという。「若い時は、羽ばたいている鳥みたいに落ち着かない。しっかり自分の巣を作って、タカやワシのようにどんと座ってからが本物」 黄門様と同じように、今は後輩たちを指導する立場だ。「精いっぱい今日やる仕事、このワンカットに力を注げ。それが明日、来年、10年後につながる基になる」と激励する。 一瞬で場の空気を変える殺陣の迫力は健在だが、若い共演者がかすんでしまうため「変わってないのが駄目なんです」。「水戸黄門」では殺陣のシーンが少なく、「寂しいんですよ」と苦笑い。 道徳を学ぶ子どもたちに「水戸黄門」を薦める。「夫婦、親子、兄弟の愛を通してドラマを作っている。『人間、人の心、優しさとは何ぞや』というのを、少しでもくみ取ってくれたらうれしいなあ」 【共同通信】
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