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【年の瀬記者ノート】(3)首都圏連続不審死事件 木嶋被告は法廷で真実を語って (1/3ページ)

2010.12.28 22:01
このニュースのトピックスさいたま傍聴記
護送車に乗り込む木嶋佳苗被告(中央)。法廷では何を語るのだろうか=10月29日、川越署護送車に乗り込む木嶋佳苗被告(中央)。法廷では何を語るのだろうか=10月29日、川越署

 もう一度、あの場所に行かなければならないと思った。1年以上にわたって追い続けた事件が、師走に入ってひと区切りついたからだ。

 そこは、東京都千代田区にある大出嘉之さん=当時(41)=の実家だ。埼玉県警の調べによると、大出さんは昨年8月、埼玉県富士見市の駐車場に止められた乗用車内で、木嶋佳苗被告(36)によって練炭自殺を装って殺害されたとされる。千葉県警が今月1日、木嶋被告の殺人容疑での3度目の逮捕に踏み切ったことで、改めて遺族の無念さを聴こうと思ったのだ。

 大出さんの月命日の5日と翌6日、大出さん宅を訪ねた。インターフォンを押すと、これまでの取材にまつわるさまざまな出来事が思い出された。

 大出さんの不審死が発覚したのは昨年10月だ。それ以来、木嶋被告の周辺関係者や県警関係者から連日断片的な話を聞き出すのが日課となった。

 こうした事件の本筋の取材と平行して、大出さんがどういう人だったのかという点にも取材の力点を置いた。被害者側から事件の本質に迫れないかと思い、数々の関係者に当たった。

 その結果、大出さんはプラモデル作りが趣味で、作品をコンテストに出品するほど熱中していたことが早い段階でわかった。大出さんが通ったことのあるプラモデル店や、出場したプラモデルのコンテスト関係者など県内外を飛び回った。しかし、「自分から話しかけるような人じゃなかった。あまり覚えてない」(プラモデル店の店主)などと、おぼろげな印象しか得られない日々が続いた。

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護送車に乗り込む木嶋佳苗被告(中央)。法廷では何を語るのだろうか=10月29日、川越署

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