2010年12月29日15時4分
同18日の判決公判で、細井裁判長は裁判員6人との評議を踏まえ、「自供書の文言が逮捕状の内容とよく似ており、作成段階で警察官から被告に何らかの示唆があったとみるのが自然だ」と指摘。弁護側の主張を法廷で否定した巡査部長について「不誠実だ」と述べた。
一方で、起訴内容については「被害女性の説明は信用できる」とし、求刑通り懲役4年を言い渡した。弁護側は大阪高裁に控訴するとともに、先月25日に巡査部長を偽証容疑で大阪地検に告発した。
山本弁護士は朝日新聞の取材に「郵便不正事件で大阪地検特捜部の誘導による作成が問題になった供述調書だけではなく、容疑者が自ら書く自供書までもが捜査当局の描いたストーリーに沿って作られたとしたら、裁判員は何を信じて判決を言い渡せばいいのか。裁判員制度の根幹を揺るがしかねない問題であり、捜査を尽くすべきだと考えて告発した」と話している。(岡本玄)