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福岡・太宰府の車衝突転落:26歳と高3ら6人死亡、乳児重体

 ◇ワゴンに9人、3人脱出

 福岡県太宰府市の県道で、ワゴン車が道路脇の篠振(しのふり)池(水深約2・5メートル)に転落した事故で、福岡県警筑紫野署は25日、ワゴン車と乗用車が衝突し、ワゴン車に乗っていた9人のうち男性2人と女性3人が死亡したと確認した。残る4人のうち男性2人と女性1人は自力で車から脱出したが、救出された男児1人は意識不明の重体。さらに乗用車の運転手とみられる男性も池の中で見つかり、死亡が確認された。

 同署によると、現場は太宰府市向佐野4。死亡したのはワゴン車に乗っていた▽同県八女市黒木町木屋、県立八女農業高校3年、井手綾美さん(17)▽同県久留米市荒木町藤田、同、石原瞳さん(18)▽同県筑後市山ノ井、同、末吉泰子さん(18)▽八女市黒木町大淵、農業手伝い、佐藤慎一郎さん(18)▽同町湯辺田、アルバイト、山本翔さん(18)--の5人と、乗用車の運転手とみられる太宰府市青葉台4、アルバイト、秦(しん)智之さん(26)。

 佐藤さんと山本さんの死因は水死で、他の人も水死の可能性が高いという。

 脱出した3人はいずれも軽傷で八女市黒木町在住の▽無職、山本佑紀(ゆき)さん(18)▽パート従業員、木村光志(みつゆき)さん(18)▽福岡県内の私立高校生、堀川達也さん(18)。

 同署は、秦さんは事故後、ワゴン車の人たちを救うため、乗用車を近くのガソリンスタンドに置いて、池に飛び込んだとみて調べている。池の水温は25日午前2時50分ごろには約5度だったという。

 死亡した山本翔さんと、車から脱出して助かった山本佑紀さんは夫婦で、男児の両親。男児は生後6カ月の悠斗ちゃんで、病院搬送時には心肺停止状態だったため、警察はいったん「死亡」と発表したが、救命措置を受けて蘇生した。

 井手さん、石原さん、末吉さんは八女農業高校生活科学科の同級生。ワゴン車の悠斗ちゃんを除く8人は友人関係で、福岡市内にクリスマスのイルミネーションを見に行く途中だったという。

 ワゴン車は県道を筑紫野市方面から福岡市方面に走行中、乗用車と衝突。その後、柵を突き破って道路脇の池に落ちたとみられる。現場は緩いカーブだった。ワゴン車には定員7人を上回る9人が乗っており、チャイルドシートは装着されていなかった。同署は道交法違反(定員外乗車)などの疑いでも調べている。【島田信幸、関谷俊介、扇沢秀明】

毎日新聞 2010年12月25日 東京夕刊

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