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韓国の仏様「連れて帰りたい」

2010年12月22日

写真

イ・サンミン

 ▽ 東北芸工大で文化財保存修復学ぶ 李 相敏さん(35)

 奇妙な髷(まげ)を着けた仏を一目見て、「ふるさとの仏だ」と直感した。

 昨年秋のことだ。依頼調査で訪ねた鶴岡市・出羽三山神社の木造観音菩薩(ぼ・さつ)座像胎内から経典を発見した。14世紀末の朝鮮王朝時代の「妙法蓮華経」であることを、ほぼ1年がかりで解明した。開山1400年の修験の山と朝鮮の、不思議な縁を現代に浮かび上がらせた。

 仏像修復を学ぶため、6年前に韓国・釜山市から来日した。以前は、専門学校でコンピューター・グラフィックスを教える美術教師だった。

 母国で見た、国宝仏の修復を伝えるテレビ番組が人生を変えた。国宝なのに、専門家が国内におらず、修復に携わっていたのは日本の仏師だった。「私の手で国の宝を守りたい」。天啓がひらめいた、という。

 職を辞して新羅大学院で3年間、木彫を学び、2004年、恩師のつてでさいたま市の彫刻修復研究所へ。日本の財団の奨学支援も得て、2年前から東北芸術工科大学で学んでいる。

 王朝による仏教弾圧を逃れたのか。それとも占領期に売られたのか。仏が出羽三山に渡来した経緯は謎のままだが、11月から、その完全模刻に取り組んでいる。「どんな経緯にせよ、仏のふるさとは韓国。連れて帰ってあげたいのです」。1月に完成する予定だ。(溝口太郎)

 ■イ・サンミン 韓国慶尚南道泗川生まれ。夢は一日も早く仏像修復の専門家として韓国に帰り、苦労して育ててくれた母を支えることだという。

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