第1回 女子ジャンプ編 Part 1
2010年12月20日
日本スケート界の重鎮・杉田秀男さんによる女子ジャンプの過去と現在。
いまだに名前があがる伊藤みどりさんの凄さ。その流れを汲む現役選手は・・・!?
女子のジャンプに革命を起こしたのは、何と言っても伊藤みどり。20年弱経過した今でもその名は話題にあがります。当時、ジャッジが同点になった場合、技術点の高い方が上位となっていましたが、伊藤みどりが登場したことで、芸術点の高い方が勝つようにルールが変更となりました。それだけ伊藤みどりの技術が高く、彼女のジャンプはフィギュアスケート界にとってセンセーショナルでした。
彼女は、連続ジャンプでも圧倒的でした。ジャンプは連続で跳ぶと、後のジャンプになるほど回転が弱く高さも低くなってしまいがちですが、彼女のジャンプは連続でもひとつひとつが非常に高く力強かったです。2本目のジャンプの方が高かったのは、ジャッジはもちろんのこと世界中を驚かせました。今では連続ジャンプを必ずどのスケーターも入れてきますが、なかでも伊藤みどりの流れを汲んでいるのは、キム・ヨナと言えるでしょう。2連続では2本目のジャンプの方が高く、3連続してもその回転や軸にブレがなくパワーやスピードも保たれています。軽やかに連続して跳ぶ姿は、かつての伊藤みどりに匹敵してます。
男子並みの跳躍力と回転を誇る伊藤みどりの代名詞といえば、やはりトリプルアクセル。未だに彼女を越える選手はいないと言われる程ですが、近年では唯一浅田真央が伊藤みどりのトリプルアクセル継承者と言われています。今シーズンはまだジャンプの調整中で見ることができていませんがあの美しいトリプルアクセルは、伊藤みどり以降の女子では彼女しか跳べていないジャンプだと言えるでしょう。
今シーズンからシニアに参戦して今勢いのある村上佳菜子が自分のジャンプを振り返って「みどりさんに比べればまだまだと思います」と口にするほどの存在・伊藤みどり。どの選手が彼女のジャンプを越えてゆくのか。そんなことに注目しながらフィギュア観戦してみるのも面白いと思います。
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