激辛査定にダルが思わずつぶやいた「涌井、かわいそうやなー」

2010.12.28


V逸の責任を負わされた? 涌井。ダルビッシュも思わず「かわいそうやなー」【拡大】

 西武・涌井秀章投手(24)が27日、西武ドームで行われた2度目の契約更改交渉に臨み、前回提示と同じ現状維持の年俸2億円を保留した。屈辱のV逸を味わった西武は、エースの涌井にだけ「本来ならダウン」と異常に厳しい査定を下し、これにはライバルの日本ハム・ダルビッシュもツイッターで「涌井、かわいそうやなー」とつぶやいたほどだ。今季は14勝8敗、防御率3・67の好成績も、終盤6試合は1勝2敗。優勝に直結する大事な試合でことごとく打たれ、涌井は「(V逸は)確かに自分の責任は結構あったと思う。もらっている額が額なんで。去年みたいに大幅アップ(1億2000万円から2億円)してくれとは言っていない。後半戦確かに失速しましたけど(球団から)『後半戦頑張っていない』といわれて納得できなかった」と明かした。

 対照的に、岸は10勝6敗で年俸1億円、石井一久も9勝6敗で年俸1億9000万円でともに現状維持でサイン。V逸の責任を1人で背負わされた格好の涌井は「5年間ずっと(故障なくローテを)外れないのは、誰もいないと思う。成績を見るとダルに勝っている部分もある」と未更改で年俸3億3300万円からのアップが確実のダルビッシュと比べても見劣りしないと訴える。

 実際、最近5年間で涌井は69勝43敗、防御率3・13。ダルビッシュは70勝28敗、防御率2・20と勝ち星はほぼ同じ。涌井は最多勝を2度獲得しているが、ダルビッシュは意外にもゼロ。登板数も投球回数も涌井が上だ。

 もっともダルビッシュは優勝3回、MVP2回で、涌井は優勝1回と差がある。しかし楽天・岩隈(3億円)、田中(2億円)、ソフトバンク・杉内(3億5000万円)、和田(3億3000万円)といった他球団のエース級と比べても、涌井の年俸は低いという印象は否めない。

 それでも前田編成本部長は「(5年間の)積み重ねが高額になっている。高額年俸選手は、それなりの期待をしているわけですから」と一歩も引かない構え。こうなったら、来季はまず優勝した上で、文句のない成績を残すしかない。(塚沢健太郎)

 

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