JR西日本広島支社は27日、下関市細江町3丁目の旧山陽ホテルを解体すると発表した。旧鉄道省が1902年に国内初の直営ステーションホテルとして開業し、伊藤博文、アインシュタイン、ヘレン・ケラーたちが宿泊したとされる。戦前の下関の繁栄を象徴する建造物の一つが姿を消す。
山陽ホテルは、01年の山陽鉄道(神戸―下関)開業を機に翌02年、当時の下関駅そばの現在地に建設。3年後、関釜連絡船が就航した。当初は木造2階建てだったが22年、漏電による火災で焼失。現在の鉄筋3階、地下1階建ては24年に再建された。東京駅を設計したことで知られる辰野金吾が設計を監修し、アーチ型の窓などが特徴だ。
武者小路実篤や高浜虚子、山田耕筰、ベーブ・ルースも宿泊したとされ、04年には市民有志が保存を求めて署名活動をした。
しかし、JR西日本は、老朽化が激しいため解体を決めた。
【写真説明】JR西日本広島支社が解体を決めた旧山陽ホテル(下関市細江町3丁目)
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