細川内閣で官房長官を務めた武村正義氏が27日、毎日新聞のインタビューに応じた。民主党の小沢一郎元代表の政治手法に関し「多大な影響力を持つことがすべてに優先し、国民が期待した政権交代の力を発揮しようがなく、今に至った」と批判。その上で小沢氏に対し、「早くよろいとかぶとを脱いで、隠居されたらどうか」と政界引退を促した。
93~94年の細川内閣で、武村氏は官房長官、小沢氏は旧新生党代表幹事として、政府・与党の中枢にいたが、税率7%の国民福祉税構想などを巡り対立した。武村氏は海部、細川、鳩山の3内閣を振り返り、「小沢さんが誕生に大きくかかわり、重大な影響力を与え続け、非常によく似ている」と指摘した。
武村氏は菅内閣について「小沢政治を卒業しようとしている」と評価。民主党の09年衆院選マニフェスト(政権公約)も小沢氏主導だったとし、「財源があると説明した矛盾で四苦八苦している。その桎梏(しっこく)から逃れないと民主党は救われない」と述べた。【宮城征彦】
毎日新聞 2010年12月28日 東京朝刊