さて、「当たり前」なんてアホな感覚は、捨てられましたか?
では、ベクトルの話に戻りましょう。
「ベクトルを足す」とは、どういうことでしょう?
なんせ「ベクトル」というのは今までに無い新しい考え方ですから、「定義(ルール)」を作ってやる必要があります。
というルールを作りましょう。
例えば上の絵で言えば、「赤いベクトル」と「青いベクトル」を足すと「緑のベクトル」になると決める訳です。
ベクトルの先っぽとシッポを繋ぎ合せて、出発点と終点を結べば良い訳です。
・・・
言葉で書くと長いですね。いちいち「赤いベクトル」・・・とか言っていたら手間がかかります。
そこで、書き方を少し考えましょう。
まず、ベクトルに名前を付けましょう。a,b,c でも x、y、z良いのですが、普通の数(スカラー)ではない事を表す必要があります。そこで、の様に、文字の上に矢印をつけて、「ベクトルである」つまり「向きを持った量である」事を示す必要があります。
それを用いて、
、
と名前を付けましょう。
こうすれば、「赤いベクトルと青いベクトルを足すと、緑のベクトルになる」なんてまわりくどく言わなくても、「+
=
」と書けますね。
では、定義が決まり、書き方を簡単にできたところで、もう少し足し算の性質を調べてみましょう。