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愛知・東浦の切断遺体:名古屋・瑞穂区の72歳と確認 同居男性から事情聴取

 愛知県東浦町森岡の五ケ村川西側の土手の草むらで布団カバーのような袋にくるまれた切断遺体が見つかった死体遺棄・損壊事件で、県警半田署特別捜査本部は11日、鑑定結果などから遺体を名古屋市瑞穂区関取町、安立キリ江さん(72)と確認した。特捜本部は安立さんと同居している男性が何らかの事情を知っているとみて事情聴取を始めた。

 特捜本部によると、遺体や袋などに付着した血痕は少量のため、遺体は別の場所で切断され、現場に運ばれたとみられる。11日午後から司法解剖して死因や死亡時期を詳しく調べる。

 遺体からは新たに手首にはめたブレスレットを確認。遺体が入れられていた袋の中から上着も見つかった。特捜本部は同日朝から現場を実況見分して遺留品を捜しているが、凶器などは見つからず、切断された両脚、頭部も依然、未発見となっている。

 近所の住民によると、安立さんは男性とアパートで2人暮らし。約10年前に静岡県から一緒に引っ越してきたという。住民の一人が数日~1週間前、近くの路上で、自動販売機で買った飲料水を飲んでいる安立さんを目撃していた。【山口知、稲垣衆史】

 ◇住民ら「世話好きだったのに」

 安立さんの自宅近くの住民らによると、安立さんは遺体で見つかった現場から北に約15キロ離れた名古屋市のアパートで男性と暮らしていた。2人ともパチンコが好きで、以前はよく連れ立ってパチンコをしていたという。安立さんについて住民は「世話好きだった」と口をそろえる。「いったい何があったのか」。住民らに衝撃が走った。

 数日~1週間前の朝に安立さんに会ったという女性によると、安立さんは女性と目が合って頭を下げた。女性は「おとなしい人だった。だけど、会えば頭を下げてあいさつする。こんな静かな所が事件に巻き込まれるなんて」と驚いていた。

 別の近所の女性やアパートの大家らによると、安立さんと男性は静岡県から10年ほど前に引っ越してきて、2人で暮らしていた。男性は警備業の仕事をしており、いつも朝6時半ごろに出勤。4~5年前までは安立さんと男性がよく一緒にパチンコへ行く姿を見かけたという。

 だが、最近は安立さんの姿をあまり表で見かけず、近所付き合いは少なかったと証言する住民も。

 姉がアパート近くに住んでいる名古屋市南区の女性(66)は「スーパーでパンやジュースを買って休憩所で休んでいるのをよく見かけたが、最近は見ていない」。3年ほど前まで一緒に喫茶店に行くことがあった70代の女性も「明るい人でコーヒーをおごってくれた。しかしここ2、3年は会っていない」と話す。

 11日、安立さんの部屋のベランダにはタオルや靴下が干され、ドアには新聞が差したままになっていた。約10年前に同じ飲食店で働いた無職女性(73)は「安立さんは勤めて3カ月くらいで辞めてしまった。世話好きでさみしがりや。人を恋しがるタイプだった」と振り返った。【高木香奈、沢田勇】

毎日新聞 2010年12月11日 中部夕刊

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