現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 政治
  4. 地方政治
  5. 記事

カジノ誘致、利益か弊害か 熱上げる橋下知事に慎重論も(1/3ページ)

2010年12月23日22時11分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

図:  拡大  

 【マカオ=宮崎勇作】大阪府の橋下徹知事は22日夜から23日未明にかけ、訪問先のマカオでカジノを核とするリゾート施設を視察した。知事はこれまでも「カジノは(自治体が)稼ぐエンジン」と経済効果を強調しており、大阪に誘致しようと熱を上げる。だが、カジノを合法化する法案が成立する見通しは薄いうえ、「ギャンブル」の弊害を心配する周辺首長からの慎重論も根強い。

 テーブルゲーム220台、スロット380台を備えるカジノ場。午前0時を過ぎても多くの人がバカラなどを楽しむ様子や、従業員でごった返す食堂を見て歩いた後、橋下知事は興奮気味に語った。

 「日本再生の切り札じゃないか。カジノ、これしかない。停滞する日本経済に明らかに効果が見込める観光施設を否定するのは間違いだ」

 マカオは11年前にポルトガルから中国に返還され、外交などを除き自治を認められた特別行政区。現在30を超えるカジノがあり、歳入の7割をカジノからの税収が占めるという世界最大級のカジノ都市だ。

 橋下知事は、米ラスベガスに本社を置く会社が4年前に開き、7500人が働くリゾート施設を視察。カジノの経験がないという知事は、従業員らに「子どもと一緒に来た人はどうするのか」と質問を浴びせた。富裕層を狙ったスイートのみ600室のホテルやレストランも見学し、施設の責任者に「(カジノを合法化する)法律ができたら、ぜひ大阪へ」とPRした。

 視察後、報道陣に「ここは大人が楽しめる一級のリゾート。これ以上の経済対策はない」と強調。「7500人の雇用に感動した。(税収を)福祉、医療、教育の財源確保に使い、地域経済の活性化につながると打ち出せば、国民の圧倒的多数には納得してもらえる」と、持論のカジノの「効用」を繰り返した。

前ページ

  1. 1
  2. 2
  3. 3

次ページ

関連トピックス

PR情報
検索フォーム

おすすめリンク

内部告発をめぐって争われた訴訟をドキュメント。組織と個人の葛藤から得られた教訓。

後藤謙次さんの記事を配信中。第一線の論客と朝日新聞の専門記者60人が、「タイムリーで分かりやすい解説」を提供。

加藤千洋さんの記事を配信中。第一線の論客と朝日新聞の専門記者60人が、「タイムリーで分かりやすい解説」を提供。


    朝日新聞購読のご案内
    新聞購読のご案内 事業・サービス紹介