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室蘭大谷 3年ぶり逆転奪冠

(室蘭大谷・帯広北)後半31分、勝ち越し弾を決めたFW安藤
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 室蘭大谷が帯広北に3―2と逆転勝ちし、3年ぶり31度目の優勝を決めた。勢いに乗る帯広北に前半2点を先行されたが、後半5分、12分の連続ゴールで追いつき、最後は同31分にFW安藤瑞樹(3年)が勝ち越し弾を決めた。08年春から就任した及川真行監督(36)が率いて3年目での名門復活。全国高校選手権は12月30日に東京・国立競技場で開幕する。

 ピッチとベンチ、そしてスタンドで歓喜が爆発した。前回選手権出場の07年以来、08年は全道初戦、昨年は同決勝で屈した無念を乗り越えた。DF櫛引一紀主将(3年)は「強い室蘭大谷を取り戻そうとやってきた」と「名門復活」を喜んだ。

 苦しかった。前半27分、MF石川勝智(3年)のバックパスがGKの頭を越えてのオウンゴール。4分後にはPKで追加点を許したが、気持ちは揺るがなかった。後半5分に痛恨のミスを犯した石川がドリブルで持ち込み、MF山田秀之(3年)のゴールをアシスト。こうなれば押せ押せだ。同12分に同点、そして31分に腰痛を抱え今大会初スタメンの安藤が右足でネットを揺らした。「悔いが残らないようしっかり当てることだけを考えた」。安藤は26分間での反撃&逆転を喜んだ。

 08年に就任し、選手権道予選を初めて制した及川監督は「1年目から絶対勝とうと思っていたし、長かった」と振り返った。全国はおろか“北海道”の壁に屈した2年間。今春の遠征でも先行されると逆転できる力に乏しかった。しかし、北海道予選準優勝で出場権をつかんだ今夏の全国高校総体(沖縄)初戦で帝京(東京)を1―0と下したことが転機になった。夏以降、J2札幌の練習参加でチームを離れる機会のあった櫛引は「戻ってくるたびに守備の球際が厳しくなっていた」と証言した。全国を肌で感じ、勝負を懸ける今大会に向け全員が必死になった。前回優勝07年に続く“無失点V”は逃したが「部員93人みんなが一生懸命、毎日頑張ってくれた」と及川監督。2点差からの逆転劇で総合力と進化を見せつけた。

 3年ぶりの優勝も満足はしない。「自信を持って全国に臨みたい」と安藤。手応えを残り2カ月で「確信」に変え、国立の舞台で完全復活を果たす。

[ 2010年10月25日 ]

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