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ワゴン車転落:池周辺住民 救助作業見守る 福岡・太宰府

乗用車が落ちた池から車を引き揚げる消防車両=福岡県太宰府市で2010年12月25日午前1時半、扇沢秀明撮影
乗用車が落ちた池から車を引き揚げる消防車両=福岡県太宰府市で2010年12月25日午前1時半、扇沢秀明撮影

 クリスマスイブの深夜に福岡県太宰府市で起きた乗用車の転落事故。乗用車は県道で他の車と衝突後、弾みで池に突っ込んだという。衝突したとみられる車の運転者の姿は現場になく、3人が自力で岸に上がったが、6人が車内に閉じこめられる形に。4人が引き揚げられたが、男性2人の行方が分かっていないという。周囲が数百メートルの小さな池の周りでは、消防による必死の救助・捜索作業が行われ、近所の人たちは心配そうにその様子を見守った。

 篠振池の周辺には住宅団地があり、クリスマスイブのこの夜、周囲には多くの周辺住民らが集まり人だかりに。池近くに住む男性は「池の周りにはガードレールと街路樹があって、車が突っ込むなんて考えにくいから驚いた。交差点のすき間から突っ込むとか、よほどのスピードでガードレールを突き破ったのだろうか。40年住んでいるが、こんな事故は初めてだ」と興奮気味に語った。

 「ドーン」という大きな衝突音を家族が聞き、近所の女性はその話を聞いて外を見ると、救急車や消防車が池の周辺に集まってくるのが見えた。やがて消防隊員らが女児と男児を引き揚げたが、転落から1時間近くがたっており、2人とも動きはなかったという。「最初は、クリスマスだから騒いでいる人がいるのかと思ったが。こんな大きな事故が身近で起きるなんて」と驚きを隠せない様子だった。

 篠振池の横に建つマンションに住む女性は、「ドーン」という音を聞いて外に出た。歩道上に、成人の男性と女性が水にぬれた姿で立っていて、子どもとみられる名前を呼びながら「早く助けて」と叫んでいたという。女性は、ぬれた女性をタオルで拭き、肩を抱いて励ましていたが、震え通しだったという。救出作業を見守った近所の別の女性は「最初は乳児を救急隊員が抱えるように、車から引き揚げた。続いて成人の男性、女性も救出された。いずれも毛布でくるまれて、救急車で運ばれていった」と話した。消防などによる懸命の救出作業は25日に入っても多くの人が見守る中で続けられた。

毎日新聞 2010年12月25日 2時06分(最終更新 12月25日 3時10分)

 

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