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【回顧 平成22年】情報の流れ、変わった一年 ネットが「変革」先導 (2/4ページ)
漁船衝突の映像はツイッターによってまたたく間に存在が知れ渡った。5月初旬には、宮崎県で発生した口蹄(こうてい)疫について、「マスコミ報道が少なすぎる」「政府の対応が遅い」といった批判がツイッターを中心としたネットで沸騰、現地を支援する現実の動きも生まれた。
政治家のツイッター利用も急増し、2月には原口一博総務相(当時)が、チリ大地震による津波情報をツイッターで自ら発信。なりすましの危険性が指摘されるなど、物議も醸した。
既存メディアにとっては、こうしたネット情報をどう報じるのか、その「立ち位置」が問われ続けた1年でもあった。
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≪大石泰彦青山学院大教授≫
■既存メディアと共存可能
1次情報をつかみ、速報するという点では、テレビ・新聞などの既存メディアはウィキリークスなどのネットメディアに負ける。だが、両者は「相互補完」できる関係にある。
ウィキリークスはネット上に設けた「皿」に投げ込まれた情報を分析する人員を持ち合わせていない。既存メディアには、ウィキリークスが出すセンセーショナルな情報を分析、解釈して社会的に位置付けたり、批判していく役割が求められていくだろう。情報の扱い方次第で社会を大混乱に陥れる危険性があることを指摘するのも、既存メディアの役割だ。