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東北新幹線が全線開業 強風でダイヤ乱れる '10/12/4

 東北新幹線は4日、新たに八戸―新青森(81・8キロ)が開通、国が1972年に盛岡駅以北の基本計画を決定してから38年を経て、東京―新青森の全線約675キロが開業した。E2系「はやて」が最短3時間20分で走行、これまでより39分の短縮となる。

 しかし新青森発の一番列車はやて12号が、盛岡駅での秋田新幹線との連結トラブルにより東京着が15分遅れたほか、強風の影響で午後に上下全線で運転を一時見合わせるなどダイヤは大混乱した。

 東北新幹線の延伸は2002年に盛岡―八戸が開通して以来で、新幹線の新規区間の開業は、04年の九州新幹線鹿児島ルートの新八代―鹿児島中央以来6年ぶり。

 来年3月12日には九州・鹿児島ルートが全線開業し、青森から鹿児島まで「大動脈」がつながる。さらに新函館への15年度の延伸に向け、工事が進んでいる。

 午前6時31分、はやて12号がホームから万歳の声に送られ新青森駅を出発。三村申吾みむら・しんご青森県知事は「開業は38年来の悲願。新たなる旅立ちの日を喜びたい」とあいさつ。清野智せいの・さとしJR東日本社長は「多くの人に青森に来てもらえるよう知恵を絞りたい」と述べた。はやては東京―新青森を1日15往復する。

 JR東は、来年3月5日に新型車両E5系による「はやぶさ」を東京―新青森に導入、13年には最短3時間5分を目指す。同区間の特急料金(大人、通常期指定席)は6500円で、運賃と合わせ1万6370円。はやぶさは1万6870円。

 開通した八戸―新青森は98年に着工、総工費約4590億円。区間の約6割がトンネルで、八甲田トンネル(全長約26・5キロ)は複線の陸上トンネルとしては世界最長。

 東北線八戸―青森はJRから経営分離され、第三セクター「青い森鉄道」に引き継がれた。

 青森県では、ビジネスや観光など経済活性化へ期待が高まる一方、新青森駅周辺の多くの商業地に買い手が見つからないことや、人材や企業が首都圏などに流出しかねないことを懸念する声も上がっている。

【写真説明】東北新幹線の全線開業で、東京駅を出発する新青森行き「はやて」の一番列車=4日午前6時28分




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