どこまで伸びる 欧州のサッカーバブル

激しい争いが繰り広げられている南ア・ワールドカップ。天才FWウェイン・ルーニーを中心に豊富な選手を擁するイングランド代表は、優勝候補の筆頭。44年ぶりのワールドカップ制覇に向け、イギリス国民のみならず世界中のサッカーファンが注目しています。また、スペインで活躍するクリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル代表)とリオネル・メッシ(アルゼンチン代表)も、今大会の注目選手です。

そんな彼らが名声を勝ち得た欧州のサッカー市場は、昨今の世界的な経済不況もなんのその、毎年1億ユーロもの新たなマネーが注入されています。

国際監査法人「デロイト社」によれば、2007-08シーズンで欧州サッカー市場が稼ぎ出した金額は146億ユーロ(約2兆2475億円※1)。その53%はTOP5と呼ばれる5カ国のリーグの売り上げで、プレミアリーグ(英)3758億円、次いで、ブンデスリーガ(独)2214億円、リーガ・エスパニョーラ(西)2214億円、セリエA(伊)2187億円、リーグ・アン(仏)1522億円となります。

これはプレミアリーグの売り上げだけで、Jリーグ(766億円)の約5倍です。また、同リーグ1991-92シーズンの売り上げは1億7000万ユーロ(約272億円)だったので、17年間で売り上げは14倍へと成長したことになります。


こうした驚異的な成長は、第2回でお話した放映権料の存在が大きく影響しています。UEFA(欧州サッカー連盟)の発表によれば、欧州733クラブの総売上のうち、約36%(41億ユーロ)を放映権料が占めています。日本円に換算すれば6312億円。これは、広告・スポンサー収入(4310億円)、入場料収入(4002億円)を上回る金額です。