2010年12月27日21時35分
福島県の国道49号で300台以上の車が大雪で立ち往生した災害で、県と国土交通省が自衛隊への出動要請の検討を始めてから実際に要請するまでに約10時間かかっていたことがわかった。除雪作業が大きく遅れる事態につながった。
立ち往生現場の同県西会津町では25〜26日に過去最高の138センチの降雪を記録した。
同省東北地方整備局や県によると、整備局が自衛隊派遣を県に相談しはじめたのは26日午前6時ごろ。県は整備局に、現場の状況報告や自衛隊に求める作業内容の調整を求めた。その後、整備局側が現場の状況を示し、自衛隊派遣を県に正式に求めたのが午後0時45分。県が最終的に要請を決断したのは、さらに3時間余り後の午後4時だった。
県への正式な依頼まで手間取ったことについて、整備局郡山国道事務所は「現状確認やどの部分で自衛隊の作業が必要かを見極めるのに時間がかかった」としている。
一方、県は午前10時ごろから、防災ヘリで現地の被災状況を確認することを考えはじめた。しかし、まもなくヘリに別の救急搬送要請があり、現場確認に回せなかった。県警本部も2台のヘリを持つが、1台は整備で愛知県にあり、もう1台は天候不順で待機状態になっていた。
福島県内ではこのほか、会津地方で25〜26日に4人が除雪作業中に心肺停止となり、救急搬送された。いずれも心肺停止と雪の影響の因果関係が不明だとして県などは雪の人的被害とみなしていない。
会津若松市の会津中央病院には25日昼ごろ、車の中で一酸化炭素中毒になったとみられる患者3人が相次いで運ばれた。3人とも回復に向かっている。いずれも現場は国道49号とは別の場所。車が雪で埋もれ、排ガスが車内に逆流したとみられるという。