人気アニメ「それいけ!アンパンマン」の偽キャラクター入りシャツを販売目的で所持したとして、著作権法違反容疑で逮捕された大阪・日本橋の衣料販売「キング」店長の男(30)が大阪府警浪速署の調べに「売り上げノルマを達成するために気の弱そうなオタクを狙った」と供述していることが27日、捜査関係者への取材で分かった。
大阪区検は同日、経営者の巽幸司容疑者(28)を同法違反罪で略式起訴。大阪簡裁は罰金50万円の略式命令を出し、巽被告は即日納付した。また大阪地検は店長の男ら7人を起訴猶予処分とした。
捜査関係者によると、同店は平成19年末から営業。店員には時給のほかに1日の売り上げに応じてボーナスを支払う給与システムだったが、売り上げが1万円以下になれば、時給が半額にカットされたこともあったという。
シャツは1枚約5000円で販売。月平均150枚以上売れることもあったが、男は「強引なやり方でもノルマの達成を優先した。ファッションセンスが悪いと、オタクを店内に引っ張り込んで売りつけた」と供述。販売方法をめぐり、周辺の店舗から苦情が寄せられていたという。
起訴状によると、巽被告らは今月6日、アンパンマンの登場キャラクターを勝手に劇画風に変えたデザインのシャツ約70枚を販売目的で所持したとしている。