2010年12月24日16時38分
【ワシントン=勝田敏彦】スポーツジムやプール、温泉で主に感染が広がるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が英王室領マン島で見つかり、同島政府の保健当局が23日、発表した。入院患者に院内感染などを起こす従来のMRSAと異なり、若く健康な人に感染しやすい特徴がある。
発表によると、このMRSAは「USA300」と呼ばれる型。メチシリンやその系統の抗生剤が効かず、症状がかなり重くなる場合もある。 MRSAは人の皮膚やのどなどにいる菌。病気で免疫力が落ちた患者は傷口などを通じて感染し炎症を起こす。敗血症などで死に至る場合もある。USA300のようなタイプは、健康な人も傷口から感染すると発症する「市中感染型」だ。
過去に同島以外でも見つかっており、スポーツ施設が閉鎖されたり、感染した選手が競技会で失格になったりしたことがあるという。当局は、運動器具を消毒したり、他人が使ったタオルの共有を避けたりするよう呼びかけている。
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広島大学大学院の菅井基行教授(細菌学)は、「USA300は国内でも見つかっている可能性がある。医療従事者は気をつけるべきだが、効くタイプの抗生剤はある。一般の人は神経質になる必要はないと思う」と話している。
フィギュアスケート・ペアで活躍した井上怜奈さんは、22歳のとき、肺がんを宣告された。闘病しながらの練習など、トリノ五輪で7位入賞するまでの軌跡。