#10 吉本龍司氏 合宿スタイルが開発スピードを加速する


図表1:吉本龍司氏

図表1:吉本龍司氏


「次世代を担うエンジニアたち」では、日本のソフトウェア産業の未来を担うエンジニアたちにフォーカスし、新時代のエンジニア像を明らかにしていく。
第10回では、日本最大の図書館蔵書検索サイト「カーリル」を開発しているNota Inc.の吉本龍司氏に話を伺った。

-Nota Inc.とは?
Nota Inc.は洛西一周さんが、世界向けたサービスを提供することを目的に作られた会社で、オフィスはシリンコンバレーのサンノゼにあります。私は、Nota Inc.立ち上げ時から参加しているメンバーです。

図表2:カーリル 日本最大の図書館蔵書検索サイト

図表2:カーリル 日本最大の図書館蔵書検索サイト

-カーリルの生まれた経緯とは?
もともと、役所の中で図書館のシステムがあまり使われてないことは知っており、うまく活用できないかと考えていました。そんな中今年の1月に、Nota Inc.(ノータインク)のメンバーが岐阜に集まってブレストした際の1つに、さまざまなアイデアが生まれ、図書館のサービスを作ることが決まりました。
洛西さんがインターフェースを、私がバックグラウンドを担当し、アイデアから実質1カ月でリリースしました。2泊3日の合宿で一気に開発を行い、図書館のデータ利用に関しての課題はリリース後に検討することにして、短期間でリリースを実現しました。

-合宿開発とは?
合宿は、岐阜にある個人オフィス(有限会社アール・ワイ・システム)で行っています。東京や京都でも合宿を行ったことがあるのですが、交通の便が良いため、うまくいかないケースがあり、岐阜が定番になっています。ブレストはどこでもできますが、開発となると集中する必要があるので、逆に交通の便が悪さいロケーションが良いですね。

図表3:カーリル アカデミア

図表3:カーリル アカデミア

-最近、気になっている技術は?
個人的にですが、クラウドの次はグラウンドコンピューティングだと思っています。
グラウンドコンピューティングは、目の前にあるPCとクラウドを組み合わせてコスト最適化をしようという考え方です。クラウドの登場によって信頼性は担保できるようになりました。しかし、クラウドだけでは非常にコストがかかってしまうからです。
例えばカーリルの場合、タスク処理の一部を岐阜のPCで行っています。そのPCが停止した場合は、Googleアップエンジンで処理するという設計によって、クラウドだけの場合よりもコストを減らすことができています。

図表4:Nota - Casual Collaboration

図表4:Nota - Casual Collaboration

-注目しているソフトウェアは?
淡々とバージョンアップを繰り返している「秀丸」や「Becky!(ベッキー)」に魅力を感じています。サービスを提供する上で、あの安定感は見習いたいです。また、秀丸があるから、Windowsを使い続けているところがあります。

-将来の自分はどのようになっていると思いますか?
今までも予想外だったので、まったく想定していませんが、開発にはずっと関わっていきたいですね。サンノゼでは結構年齢の高い方がプログラミング書いていますから。そして、歳を取ったら大いに若者と闘おうと思っています。
また、地域とITでできることを続けていきたいです。世界と渡り合えるソフトウェアを作っていきたいですね。

図表5:Ryuuji's Homepage

図表5:Ryuuji's Homepage

■プロフィール
Nota Inc. エンジニア
有限会社アール・ワイ・システム
代表取締役
吉本龍司

■参考リンク
Webサイト:Ryuuji’s Homepage

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