岩隈　現状維持３億円でサイン　「マウンドで大暴れする」

　楽天の岩隈久志投手（２９）が２６日、仙台市内の球団事務所で契約交渉に臨み、現状維持の年俸３億円プラス出来高払いでサインした。ポスティングシステム（入札制度）による大リーグ挑戦が実現しなかったエースは、気持ちをしっかりとリセット。来季は燃える男・星野監督の胴上げを目指す。

　「監督が代わって厳しくなるから、選手一人一人が闘う目つきになる。（優勝も）いけるんじゃないかと思う。マウンドで大暴れしたい」。星野監督に触発されたかのように、楽天きってのクールガイが珍しく熱いコメントを発した。来年は３年契約の３年目。順調にいけば来季中に海外フリーエージェント（ＦＡ）権を取得する見込みだが、「取得した時に考える」。この日の交渉の席でも大リーグの話題を切り出すことはなかった。

　今季はチームに貢献できなかった。通算１００勝、１０００奪三振を達成するなど節目の年にはなったが、２８試合で１０勝９敗と勝ち星が伸びず、チームも４年ぶりに最下位に転落。

　「チームやファンの期待に応えられなかった。今年の分を取り返したい」。頭の中には年間２１勝で沢村賞に輝いた２００８年のイメージがあるようで「そういう気持ちで来年は行きたいと思う」。底力を見せると意気込んでいる。

　選手会長の職は今季限りで退任するものの、チームを引っ張る姿勢に変わりはない。「チームの中心になって頑張りたい。経験が浅い選手には技術を教えていきたい。自分の数字よりもチームの優勝を目指したい」。これでチームは全選手の契約更改を終了。とりを飾ったエースは来季、フォア・ザ・チームに徹する考えだ。（金額は推定）

　　（鶴田真也）