韓国軍:陸海空軍の指揮一元化、北の挑発に迅速対応(上)

20年ぶりに軍指揮体系再編へ

 20年ぶりに軍の上部指揮体系が大幅に再編されるのは、哨戒艦「天安」爆沈事件や延坪島砲撃など、北朝鮮による相次ぐ挑発行為に対する韓国軍の対応が不十分だったとの反省があるためだ。

何が変わるのか

 今年3月、天安爆沈事件が発生した際、合同参謀本部状況室の海軍将校は、大統領府(青瓦台)に勤務する海軍の先輩将校に対し、合同参謀本部議長よりも先に状況報告を行い、軍首脳部よりも先に大統領府が事件発生について知った。また、海軍参謀総長は当時、現場で事実上、捜索救助、船体の引き揚げを指揮したが、現行法令上での作戦指揮権はなく、あいまいな状況だった。延坪島砲撃の際にも、6門しかないK9自走砲、50年前の海岸砲など、海兵隊に対する劣悪な装備の実態が問題視された。

 これらはいずれも陸海空3軍が合同性に欠くこと、軍政・軍令権の行使権限が分かれていることに起因する問題だった。現在、政府・軍が検討している軍上部指揮体系の再編案は、こうした問題を解決するために合同軍事司令部を新設し、既存の陸海空軍本部を陸海空軍司令部に再編する内容を骨子としている。大将クラスの合同軍司令官は、作戦、情報などこれまで合同参謀本部議長に与えられていた権限に加え、人事、軍需など軍政権も付与され、強大な権限を持つことになる。合同参謀本部議長も別途に設けるが、諮問役など象徴的な存在となる可能性が高い。

 現在の陸海空軍本部に代わる陸海空軍司令部は、既存の陸軍の一部軍司令部、海・空軍の作戦司令部も吸収統合するため、指揮体系の単純化、指揮伝達時間の短縮につながる。また、組織の統廃合で将官の数も削減される見通しだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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