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【回顧 平成22年】電子書籍、話題先行の1年 向こう数年は混戦模様か (4/5ページ)

2010.12.27 07:31
新作小説をiPad向けに配信すると発表する作家の京極夏彦さん(左)と、野間省伸副社長=5月20日、東京・音羽の講談社新作小説をiPad向けに配信すると発表する作家の京極夏彦さん(左)と、野間省伸副社長=5月20日、東京・音羽の講談社

 −−年末になって主な電子書籍端末が出そろいました

 「『電子書籍の時代が来る』と騒がれたのは今年だけではない。読書専用端末の発売が相次いだ6年前にもあった。ただ過去の電子書籍プロジェクトは電機メーカーや出版社が中心だったのに対し、今回は通信会社が熱心。飽和気味の携帯電話市場の『次』をにらみ、コンテンツ収入やデータ通信料に期待しているのだろう。『本を読まない人』向けという従来の発想では電子書籍はマイナーな市場にとどまってしまう。端末の開発などで読書家向けのアプローチが増えてきたのも大きな変化といえる。ただ、本格普及に欠かせない魅力的なソフト(電子書籍)はまだまだ少ない」

 −−出版社がコンテンツ提供に消極的なのでは?

 「様子見の段階だろう。電子版を低価格で売りすぎると紙のビジネスモデルを壊してしまう恐れがある。米国では電子書籍の売り上げが書籍全体の1割に迫ろうとしているが、日本は2〜3%程度。端末も乱立しているし、自立したビジネスモデルが確立されていない。人気作家が紙と電子版を同時刊行する例が増えているが、電子化の権利を手放さないために、とりあえず電子版を出しているという側面があるのでは」

 −−自ら電子書籍配信会社を設立する作家も出てきた

 「印税率が増える可能性もあるが、著者にとっては厳しい時代ともいえる。米国では、分かりやすいプロット(物語の筋)を書く一部の作家だけが売れる現象が起き始めていて、反発も出ている。電子書籍端末のトップページで一度に見られる本は限られる。検索には優れているが、ランキング依存の本選びが加速する恐れもある」

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新作小説をiPad向けに配信すると発表する作家の京極夏彦さん(左)と、野間省伸副社長=5月20日、東京・音羽の講談社
評論家の歌田明弘さん
電子書籍データをもとに、わずか10分で本が完成する「エスプレッソ・ブック・マシン」=東京都千代田区の三省堂書店神保町本店

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