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【回顧 平成22年】電子書籍、話題先行の1年 向こう数年は混戦模様か (2/5ページ)
◆まだ紙のほうが…
端末の充実で普及の下地は整った。ただ、電子書籍事業は「まだ利益が上がっているとはいえず、ビジネスモデル構築はこれから」(角川歴彦・角川グループホールディングス会長)というのが現状。もうかる仕組み作りが今後の課題だ。
それに、現在の電子書籍が果たして読みやすいのか。11月に東京都内で開かれたシンポジウムでは、そんな疑問も話題に上った。作家の福井晴敏さんは「(電子版は)厚さが分からないから、私の(分厚い)小説ももっと買ってもらえるかも」。日本電子書籍出版社協会代表理事を務める野間省伸・講談社副社長は「正直、まだ紙の本のほうが読みやすい」とも。端末の画面で何百ページも読むのは目が疲れるというわけだ。
その点、読書専用端末は目にやさしいとされる電子ペーパーを採用する機種が多く、読書家には朗報かもしれない。米国でリーダーを販売する米ソニー・エレクトロニクスの野口不二夫さんによると、電子書籍は文字の拡大が自由で、米国の利用者は50歳代以上の年配者が多いという。
電子書籍端末は規格がバラバラで、専用機と多機能機があり、画面の大小や重さもさまざま。すぐに淘汰(とうた)が起こって規格の統一に向かうとも考えにくい。自分に合った機能を持つ機種を選ぶ必要がありそうだ。
◆商品提示が課題
出版社が危惧するのが「電子書籍の普及で紙の本は減るのか」だ。野口さんは、米国の状況を「紙の本の売り上げは減っておらず、その上で電子版の売り上げが伸びている」と話す。日本ではどうか。角川会長は「紙の本は減るが、電子版がカバーして全体では伸びていく」とみる。