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播州日記:年末回顧編 「金の卵」 /兵庫

 看護師を養成する「播磨看護専門学校」(加東市)が揺れている。運営組合を構成する北播磨の5市1町(西脇、三木、小野、加西、加東、多可)が、看護師確保策の一つ、奨学金制度をめぐってぎくしゃくしているためだ。背景には、高齢化や医療の進歩で看護師が一層求められる一方、出産や激務による退職、少子化による成り手の減少などで、看護師確保のハードルが上がった実情がある。

 このため今春、西脇、三木、加西の3市立病院はそれぞれ独自に、卒業後の病院勤務を条件に返還を免除する学生向け奨学金を制度化。これに対し、小野市長は「看護師の青田買いだ。地域全体の医療・看護の充実を図る学校の設立趣旨に反する」と反発し、先月の脱退表明に至った。現在、学生向けの奨学金は組合独自の制度への一本化が進みつつあり、「脱退はいったん留保」の姿勢だ。

 これらの動きは、看護師確保にあえいでいる自治体間競争の表面化でもある。組合奨学金の支給額など、一件落着へは課題も残る。看護師の「金の卵」を確保するには、結束か、やはり競争か、あるいは別の方策か。大方針が定まらず、道筋が見えてこない。【浜本年弘】

〔播磨・姫路版〕

毎日新聞 2010年12月27日 地方版

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