スケソウダラ漁を行う北海道と東北の漁業会社4社がロシア国境警備局の係官などに現金を渡すなどしていたのに、別の経費がかかったように装う経理操作をしていたとして、国税当局から少なくとも5億円の所得隠しを指摘をされ、重加算税を含め1億数千万円の追徴課税処分を受けたことが関係者の話で分かりました。
所得隠しを指摘されたのは、北海道稚内市の「稚内海洋」と釧路市の「金井漁業」、それに青森県八戸市の「開洋漁業」と宮城県塩釜市の「佐藤漁業」の4社です。関係者によりますと、4社は、ロシアの排他的経済水域で協力金を支払ってスケソウダラ漁をしていますが、その際、ロシアの国境警備局の係官などに現金を渡すなどしていたということです。しかし、うその領収書を使って別に経費がかかったように装うなどの経理操作をしたとして、札幌国税局と仙台国税局から少なくとも5億円を超える所得隠しを指摘され、重加算税を含めてあわせて1億数千万円の追徴課税処分を受けたということです。関係者によりますと、ロシア側への現金などの提供は、船への臨検の際にトラブルがないよう支払ったものもあるということです。これについて、1社は「国税局から指摘を受け、支払いを済ませた」と話していますが、ほかの3社は「担当者がいないので、答えられない」などとしています。